シリアの日記 (2008年7月11日〜2008年7月18日)

■アレッポ城
2008/07/18
アレッポに移動し、旧市街を観光してきました。今日は金曜日なので、ほとんどのお店が閉まっていて、買い物、という雰囲気ではなかったので買い物は明日。アレッポにいるうちに有名なアレッポ石鹸と、バックギャモン盤とおかきが欲しいのです。

お店が閉まっている、と言っても数軒は開いているわけで、そんなお店でアレッポ石鹸の下見。使ったことがないから全く違いがわからないけど、色んな価格帯のものがありました。
宿の情報ノートによれば、中のグリーンが濃くて、オリーブの香りが良いものが、いいアレッポ石鹸だ、とのこと。でもオリーブの香りが良いって、どういうこと?オリーブオイルの配合率とかも問題らしい。そんなの見てわかんないよ。星がついてるけど、各社の判断で勝手につけているので星の数で単純に比較できるわけでもないらしい。くー、難しい。

それでも石鹸を買う店は石鹸通りがあるので、そのどこかで買うだろうし、おかきを買うお店の検討はつけました。後はバックギャモン盤だ。シェラトンのお土産屋さんで金額を聞いたので、それと比較できるようなお店が明日発見できるといいけどなぁ。

その後アレッポ城へ。アレッポ城は昨日のクラック・デ・シュパリエと同じく丘の上にあるお城です。2日連続で丘の上となるとちょっと疲れますが、でも見ごたえがありました。お城の中に宮殿や、モスク、円形劇場があり、ひとつひとつ見ていると結構時間を使います。丘の上にあるので、アレッポの街を見渡すことができます。エジプトのカイロもそうでしたが、まぁ、なんとモスクの多いこと!ミナレットがあっちこっちに見えました。
■ラピュタのお城
2008/07/17
ほんとかどうか知らないが、みんなが「ラピュタの城」だと言うところに行ってきました。クラック・デ・シュバリエというお城です。2006年に新しく世界遺産に登録された遺跡なのだそうです。

ハマからホムス、ホムスからシュバリエ、とバスを乗り換えて約2時間。お城の入口前までミクロバスが送ってくれます。パルミラでは通用しなかったティーチャーカードがここでは使えました。

もともと、ここは行く予定ではありませんでした。存在すら知らなかったのです。ホテルの情報ノートを見て、ラピュタのお城のモデルかもというところがあると知り、急遽行くことにしました。だからあんまり期待せずに出かけたんです。

でも、1歩お城に入った瞬間、のまれました。かなり雰囲気ある。中庭のようになっているところとか、建物の壁の感じ。屋上に出ると、思い込み次第ですが、空を飛んでいるような気がするようなしないような。お城は丘の上にあるので、ものすごく見晴らしがいいのです。

ついついその気になって、「パズー」と言ってみようかな、と思ったけどmatuが乗ってくるわけないのでやめときました。この判断は我ながら賢明。

ラピュタを作った人々が、ここのお城を参考にした、とはやっぱり思わないけれど、でもそういう話になっちゃうくらい雰囲気はあるので、是非一度いってみてください。

まだそんなに有名でもないのか、観光客はあまりいませんでした。日本人は、ラピュタのお城、って言われて結構来ているみたいだけど。他国の人にはわかりませんよね。

帰りはちょっと下まで降りて写真を撮って、ホムスまではミクロバス、ホムスからはなんと大型バスでハマまで帰りました。私たちは大型バスは高いだろうと思っていたのですが、途中で出会ったウソマグロさんが同じ料金で乗れるって教えてくれたんです。大型バスでも35SP、ミクロバスでも35SP、だったら大型バスのほうが冷房きいてるし、お水もサービスしてもらえるし、お得です。ウソマグロさん、いい情報をありがとうございました。
■喧嘩
2008/07/16
長い旅に出て、喧嘩をしないのか、とよく聞かれますが、
喧嘩なんて日常茶飯事です。
毎日が喧嘩だと言っても過言ではありません。
可愛らしい些細なものから、
物を投げつけたくなるような絶望的なものまで、多種多様。

今日も喧嘩でした。
今日の喧嘩はあんまり可愛い喧嘩じゃなかったので、
よって、今日の日記はありません。

以上です。
■ハマで誕生日
2008/07/15
まゆ、31歳の誕生日。事前の予想(出発前はギリシャあたりを想定、1ヶ月前にはトルコを想定)を全く裏切って、シリアで過ごすことになりました。ハマという水車が有名な町にきました。今までは日本のヨコ「ハマ」で誕生日、今年はシリアのハマで誕生日。

ハマにはとてもいい安宿があり、そこを予約していたので、誕生日だからと言って特に贅沢ホテルに泊まるでもなく、贅沢な食事をするでもなく、普通の一日となりました。(でも、旅に出ているだけで充分な贅沢ですよね。)ただ、バースデーケーキだけは、ということで、ここハマで有名なお菓子、「ハマロール」を1本買ってもらって、水車を見ながら食べました。「ハマロール」は、もちもちっとしたクレープのような生地にチーズクリームをたっぷり包んだロール状の和菓子のようなお菓子で、そのロールを一口大に切って売ってくれます。お店によりけりだとは思いますが、チーズクリームには甘みがないので、シロップをかけてだしてくれます。チーズ好きにはたまらないお菓子なのです。おいしかったー。やっぱりケーキだけは誕生日に欠かせない。

そんなバースデーケーキを食べる直前に出会った、たかちゃんと3人で今日は水車めぐり。ハマには現役で活躍している水車がいくつもあります。水しぶきをあげながら、ギコギコまわる水車、見ているだけで癒し効果抜群。

一番大きな水車は、古い木を新しい木に張り替える作業を行っていたため、まわっている姿をみることはできませんでした。でも、その職人さんから水車の説明(アラビア語。。。)を聞けたし、お茶もごちそうになったし、ゆったりした時間を過ごすことができました。

4つの水車、とガイドブックに書いてあるあたりは、なんとレストランになっていて、レストランに入らないとしっかり見ることができません。納得いかないけど、歩き疲れて対岸まで行く元気なし、作戦負け、レストランでお茶。

夜にはホテルの裏にある水車のライトアップを見学。ガイドブックに載っていたほどのライトアップはなかったけど、水道橋が照らされて川面に映る様子はとてもきれいでした。

なんと、たかちゃんからは、誕生日プレゼントとして、ロンプラ中東を頂きました。トルコまで載ってるとってもとってもお役立ちな1冊です。私たちはちょうどその中東のガイドブックを持っていなかったのでとてもとても助かりました。本当にどうもありがとうございました。

エジプトからずっと観光・移動・観光・移動を繰り返してきた私達。久々にゆったりとした時間を過ごすことができて、とてもいい誕生日になりました。
■バックギャモン
2008/07/14
昨日覚えたばかりのバックギャモン。なんと翌日早速対戦することとなりました。パルミラ観光を終え、夕飯も食べ、お茶でもして帰るか、という時。聞き覚えのあるサイコロの音。。。これは昨日の。。。

吸い込まれるようにそのカフェに入っていくと、やっぱりやってた、バックギャモン。カフェ、と言っても日本みたいなオシャレな感じではなくて、おじさんばかりがチャイ片手に水タバコをふかしてるイメージのところ。ここは、水タバコの代わりに賭けバックギャモンやトランプ、アラブ風マージャンなどをやっているおじさんでいっぱい。きっとこういうところにアラブの女性は入ることないんだろうな、と思いつつmatuと一緒だし、私ここでは外人だし。

チャイを注文し、おじさんたちのゲームをちょこちょこ眺めて楽しんでいました。他の2つはルールが全くわからないけれど、バックギャモンなら昨日教えてもらったからかろうじてわかる。でもやっぱり慣れてるおじさん2人のバックギャモンは超超スピーディー!サイコロの目が出た瞬間に駒を移動してる。
特に奥に座ってたほうのおじさんがものすごい強くて、最後の方では相手にサイコロさえ振らせない。日本風に言うなら、あっぱれな人なのでした。

そんなあっぱれおじさん、どうやらそこでの賭けに勝ったらしく、ちょこちょこ見ていた私達に握手を求めにやってきました。で、matuに「やってみるか?」と。最初辞退しかけたmatuでしたが、ここはせっかくだから惨敗だろうがやっておかないと!と急遽対戦に発展。チャイを注文しなおして、バックギャモン開始です。

結局ほとんどを、こういう時はこう、とレクチャー付きでおじさんが動かしてくれ、初戦を飾るも、2戦目は負け。1勝1敗になったのでした。あとはお遊びでmatuと私の対戦をおじさんが見守る、というゲームも。おじさんが両方動かしてる感じだったけど、いい勉強になりました。これはハマルわー。

時間も時間だったので、そこでお開きにして、御礼を言うと、「さっきのチャイはおごるよ」とスマートにお会計まで!なんて素敵なおじさんなんだろう。お店を去っていく私達をカフェの入口で笑顔で送り出してくれました。

いい師匠に出会えたことを縁に、私達も(昨日会ったご夫婦も買ったと言っていたので)バックギャモン盤を買って日本へ送ろうと思います。すごく楽しかった。
■バスステーション
2008/07/13
ダマスカスからパルミラへの移動。
ハラスタバスターミナルという場所からバスが多数出ているとのことで、タクシーで行きました。昔使われていたバスターミナルが今は使われていないとのことで、ハラスタが中心になっているようです。

久々に大きなバスターミナル、そしてものすごいたくさんのバス会社。十数社はあったんじゃないかな。なんとなくトルコのバスターミナルを思い出しました。でも、ここのバスターミナルはどうやら客引き禁止令がでているようで、自分のオフィスから1歩も出ずに、大声とプラカードでお客さんを呼んでいました。これはすごく助かる。

とっても暑かったので、価格よりついつい時間重視でバス会社を選択。30分後に出るという会社に決めました。1人175SP。一応値切ってこの価格。

シリアのバスは、時刻どおりとは言えないけれど10分遅れほどで出発。これなら許容範囲。ついつい西アフリカのつらいバス移動と比較してしまう。だんだんバスの旅が快適になってくる。西アフリカを経験すると、何もかもが、楽。

途中、エンジンが壊れる、というアクシデントがあったものの、なんとか30分ほどで修理が終わり、そのあとは順調にパルミラへ。修理中はエンジンかからないからエアコンなんてつかないし、炎天下にほっとかれるし、もっと時間のかかるトラブルでなかったことがとっても幸運でした。

パルミラには1時間ほど遅れて到着。思っていたより日差しがきつくて、暑くて、明日ちゃんと観光できるか心配。今日はちょっと街を歩いただけだけど、夕方の横殴りの日差しはやっぱり耐えがたかった。パルミラ観光は明日の午前中にしよう。。。

泊まることにした宿で、3人の日本人と会いました。世界一周中のご夫婦とヨーロッパ満喫旅行の男性。みんな私達と同じ北上組だったので、これからのルートとかで話ができて楽しかったです。バックギャモンのルールを教えてもらってmatuが挑戦。ルール覚えちゃうとはまっちゃうかも。
■和風なダマスカス
2008/07/12
部屋があまりに暗く、朝が来たことに全く気がつかなかった私達。なんと10時まで寝てしまいました。よって、ダマスカス観光はお昼から。

昨日少し街を歩いたときは、金曜日だったこともあってお店はほとんどクローズ。イスラム教国では金曜日がお休みなんです。午後から開く国もあるけど、どうやらシリアの金曜日は完全休日らしい。
今日は土曜日なので、昨日と違って街にとっても活気がありました。お店も開いてるし、人もたくさん。

シリアではジュース屋さんがとっても多いです。屋台のジュース屋さん。で、みんななぜかラズベリージュース。氷をたっぷりいれてくれるので、冷たくておいしい。あと多いのはサボテン(?)屋さん。サボテンの実みたいなものを皮むいて売っています。スイカみたいな味だけど種だらけでイマイチ?

旧市街を散歩。ウマイヤドモスクや城塞などがあります。それからスーク。お洋服やお菓子、食料品、電化製品、もうなんでもかんでも所狭しと並んでいます。そんな中、露店の一角に量り売りのあられ屋さんを発見。日本で売ってるあられそのもの!

エジプトでもお菓子屋さんにあられが売っていたので、飛びついて買いましたが、まさかシリアでも売っているなんて。せんべい好きのmatuには嬉しい限りです。matu、中東の食べ物がどうも好みじゃないらしく、最近あまり食べないのです。だからせめてあられで元気になってもらおう、と200グラム購入しました。

それをつまみながら、お散歩続行。あられはとっても食が進むらしく、あっという間になくなりました。歩きながら気がついたんだけど、結構たくさんのお店であられが売られてる。せっかくだから1軒1軒価格を聞きながら歩いてみました。

200gで60SPというのがどうやら相場らしい。あられにも種類があって、matuの好きな味の濃いやつは高い。豆菓子が入っているあられほど高い傾向にあります。matuは豆菓子なんかいらないんだけど、味の濃いあられには必ず入っちゃってるんだよ。

悩んだ挙句、200gで50SPという豆の入っていない味薄めのおかきを追加しました。それも今日で半分以上なくなっちゃった。

さらに商店ではマルカワのガムを発見!駄菓子屋さんで売られている、正方形の箱に丸いガムが4つ入った、あれです。オレンジ味のやつ。日本で最近見ないなぁ、と思っていたら、なんとシリアに輸出されていました。ちゃんと箱は英語表記になってます。1つ5SP。約12円。日本より高い。。。

日本ではあまり知られていないシリア。ここでたくさんの和風と出会えたのにはびっくりでした。
■ヨルダン・シリア国境でのビザ取得
2008/07/11
出発前からの懸念が今日ついに明らかに。
何かと言うと、シリアビザ。ヨルダンから陸路で入ると、国境でビザを取ることは難しい、という事前情報を得ていました。もしここでビザが取れないとなると、大幅に進路を変更しなくてはなりません。

恐る恐るアンマンからダマスカス行きのセルヴィスに乗り込み、国境までは1時間ちょっと。ヨルダン出国はスムーズに終了したものの、いつから必要になったのか出国税を取られました(5JD)。国籍によるのか、他国の人と金額が違いました。出国税はJD払いのみとのことだったので、出国税分のJDは残しておきましょう。

そしてシリア入国。イミグレはものっすごい人でごった返していました。外国人用の窓口があるものの、使われておらず、その隣の窓口へ。窓口の上には各国別のビザ料金一覧表の看板がありました。JAPAN、という表記を見つけて、なんだやっぱりここでビザが取れるんじゃん!と安心。パスポートと入国カードを渡し、しばし待たされます。30分くらいするとやっと呼ばれて、パスポートを返されます。もちろんまだ入国スタンプはありません。

一体次にどうすればいいのか。そういう説明が全くないのが、ここ、シリアイミグレ。色んな人に聞いて、別棟で印紙を買えばいいのだ、ということが判明。そこで別棟に行くと、たくさん窓口があるからどこだかわからない。どの窓口も混雑していて押し合いになっているし、聞くに聞けない。しょうがないから短い列に並んでみる。そんなことの繰り返し。

結局別棟ではビザ代24ドル(トランジットビザなら8$)をシリアポンドに両替し、その証明書をもらうところまですればよいらしく、今度は更に違う小屋に行きました。そこでやっと印紙を購入。一番最初のイミグレに戻って、印紙とパスポートを渡し、やっと入国審査終了〜!

全てが終わるまでにかかった時間、なんと2時間弱!人が多くて暑っ苦しいし、どこに行けばいいのか手順もわからないし、ほんっとに疲れました。せめて外国人用窓口には英語で説明を書いておいて欲しい。いや、書くべき。あーんなに複雑にするなら説明するのは義務だと思う。

でも、出発前からの懸念はこれで解決。ヨルダン・シリアボーダーで、シリアビザは取得可能!これが答えです。

※私たちは2時間弱で全て終了しましたが、人によっては5時間かかったとか、8時間かかったとか言う人もいるので、もしかしたら今回はとっても幸運だったのかもしれません。