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寺社仏閣
めぐり
「'04年秋・ほぼ、お賽銭だけで巡る平安京跡 神仏混合自転車ツアー」 by そーいさん
 神泉苑・一条戻り橋・晴明神社・石像寺・引接寺・大報恩寺・北野天満宮・
 大極殿跡/朱雀門跡・ぬえ明神

 *「そーい」さんのサイト「数奇屋象玉洞」は→こちら
平成16年9月26日
【この日の目的】

前日はぱらいそ堂、よっしー、月影さんとJR米原駅・午前9時半出発〜湖北の向源寺など六ヶ寺を巡って午後五時前に拝観を終了、翌日、東京在住のぱらいそ堂さんは日帰りしようと思えばできるけど、でもそれももったいないので自転車で数時間、京都市中西部を巡りました。

人間の歩く速さは時速4キロと思ってませんか?この速度で巡航するのは無理です。観光旅行で数人が喋りながら、きょろきょろして歩くなら正味時速2.5キロくらいじゃないでしょうか。
そのてん、自転車ならゆっくり走っても歩く速度の四倍でます、バスを待ってる時間で目的地に着きます。
ポイントは足首の回転です。
参加者・ぱらいそ堂さん そーい


1.神泉苑

神泉苑平安京が造られた頃、御所は現在の位置より西にあった。その御苑に由来するのが神泉苑。
本来の姿からはかなり小さくなったとはいえ、数少ない現存する平安京史跡。(写真は春)

小野小町や空海の雨乞い伝説も残り、水に縁があるだけあって大きな池が敷地の大部分を占めている。
入り口は鳥居、中央の拝殿はどう見ても神社。しかし、ここは寺院なのです。脇のほうにこじんまりとお堂がある。
赤い太鼓橋のかかる池には龍頭の屋形船が浮いている。この船は境内に建ってる大きな料亭の所有物のようだ。
境内には円形の台座の上で、その年の恵方に向くように回転できる祠がある。
恵方といえば、節分に巻き寿司をその方向を向いて食べるという風習が70年代後半にできたものだ。(手巻き寿司は70年代前半、回転寿司は70年の大阪万博からデビュー)

別棟では毎年五月初め(観覧無料・日時要確認)壬生狂言の流れをくむ狂言が上演される。

境内参拝自由 京都府京都市中京区御池通神泉苑東入門前町 (バス・神泉苑前 二条城側にも裏口あり)


2.一条戻り橋 と 堀川

晴明伝説に登場する戻り橋の架かる川は堀川。
平安京建造当時に整備された川だが、現在も川の姿をとどめるのは戻り橋から二条城前付近のみで、他は暗渠になっている。
二条城前付近は桜並木だが、殆どのエリアは低い植え込みで中央分離帯みたいな仕上がりのため川があるように見えない。まぁ、覗き込んでも水は流れてないんですけどね。
しかし、戻り橋に近づくにつれ木立がうっそうとしてきて、街中なのにちょっと違和感を感じるほど高木がおい生い茂っている。夜に訪れたことはないが、きっと怖いと思う。

京都市中京区堀川通一条(東側)


3.晴明神社

隣に大きな駐車場ができてリニューアルした晴明神社。入り口には架け替えられた古い戻り橋の石材で作った橋と式神の石像がお出迎え。
晴明桔梗紋の湧き水があって、これまた恵方に向くように作られている。

京都市上京区堀川通一条上ル(西側) 境内参拝自由 晴明と式神の顔出し看板あり
※最寄の観光ポイント・鶴屋吉信(菓子) 白峰神社(最近サッカーの神様)


4.石像寺 釘抜き地蔵

石像寺西陣の路地裏を自転車で走って少し北上。弘法大師創建と伝わる古い寺で、釘抜きさんと呼ばれている。
苦を抜くに由来する「釘抜き」(やっとこ型)と五寸釘二本の本物が取り付けられた絵馬が無数に奉納されているのが目をひく。

朝から大勢の人々がお参りし、お百度を踏んでおり、晴明神社とはまた違ったにぎわいである。
随所に釘抜きの曲線と唐草模様をデザインした模様が使われていて面白い。本尊のお姿は半迦地蔵菩薩坐像と思われる。

石像寺というだけあって本堂裏には新しいものから古いものまで石仏が祀られているが、帰ってから復習していたら阿弥陀三尊像は鎌倉時代の年号があるそうだ。

石像寺

←昨日拝んだ向源寺観音像の写しが。

井戸があり、ぱらさんが水をくみ上げて、また元に戻していた。

京都市上京区千本上立売上ル花車町 境内参拝自由


5.引接寺(いんじょうじ) 千本閻魔堂

そこから少し北へ、えんま堂へ。千本という地名は塔婆がたくさん立っていたからと昔聞いたことがある。
小野篁創建の古い寺院。
本尊は2.4mの閻魔大王坐像(室町時代に再建)左に司録尊、右に司命尊。巨大な像でコハク製の目が光っている。
お堂にははっきり見えないが地獄絵図が描かれており、天井は新しい草花の絵が飾られている。
境内は石塔、鐘楼など歴史的物件も多く、5月4日(要確認)には「ゑんま堂狂言」が行われる。

先ほどの神泉苑、壬生狂言に比べ、ここの狂言はセリフがある。観覧は無料だが屋外なのでけっこう日光が暑い。また夜は逆に寒いのでそれなりの装備が必要。

京都市上京区千本鞍馬口下ル西側 境内参拝自由 閻魔像は堂外より参拝可
(開扉されてない場合内陣拝観300円以上志納(説明付き))  尼さんの顔出し看板アリ。



6.大報恩寺 千本釈迦堂

閻魔堂から、このあたりかな?とアタリをつけて路地に入ったが、なかなか入り口が見つからない。
応仁の乱にも焼けなかった京都最古の建造物。(注:と、なぜかガイドブックによく書いてあるが、醍醐寺五重塔が現代の京都市全域では最古の建物です、間違いない!)

本堂の秘仏・重文の釈迦如来坐像は、お盆迎えの頃他にご開帳される。去年の元旦にお参りした際も開扉されていた。
厨子の前にわりと大きな誕生佛がお前立ちになっている。これは宝物館にある重文の写しで、誕生佛としてはかなり大きいと思う。

宝物館は肥後定慶作の六観音像が圧巻。定慶といえば鞍馬寺宝物館の聖観音像の作者。たいへんよく似ている、ということがよくわかってすっきりした気分になれる。

いずれも檜材の地肌で彩色はされていない。等身大の六観音がずらりと並ぶ姿は圧巻。ぜひ、前に座って拝もう。対面には快慶作の十大弟子像が並ぶ。

本堂には「おかめコーナー」があり、おかめとは何か?と考えさせられる。

京都府京都市上京区五辻通六軒町西入ル 国宝本堂・宝物館500円


7.北野天満宮

菅原道真展に行ったとき多くの観音像も出展されていた。天神は仏教では観音にあてはまるからだそうだ。
そういえば、大阪・道明寺の国宝 十一面観音像は道真作と伝えられていることを思いだした。

北野天満宮は25日が縁日で多くの露店が出る。2月頃には有料だが梅園が公開される。最近リニューアルされた豪華な社殿に参拝、京都には多くの神社があるが、ここの社殿はひときわ立派。建物の構造が他と変わってるんですが、不勉強でよく知りません。

2月頃には広大な梅林がオープンする。

京都市上京区馬喰町 境内拝観自由 梅林は別料金(菓子付き)

この付近で昼食をとって千本通を通って一気に南下。下り坂なので自転車のペダルをコガずともバスより速いくらいだ。
この千本通はかつて京極と呼ばれる繁華街だった。古い映画館も残っている。これに対して東の「新・京極」は新しいわけですね。

で、なによりこの通りは平安京の朱雀大路だったから、この通り沿いに史跡がある。


8.大極殿跡・朱雀門跡

千本丸太町上る西側の児童公園に大極殿跡の石碑。ここが平安時代の御所があった場所。
その先、ラーメン天下一品の少し北の植え込みに朱雀門跡石碑がある。


9.ぬえ明神

高いアンテナのあるNHKと二条城に挟まれた公園の北西すみに小さな鳥居が見える。これが御所を襲った怪獣ぬえを祀った祠。近くの池は射殺した時の矢を洗った池だという。

と、いうわけで一周まわって元の位置に帰ってきました。お疲れ様です。
平成16年9月26日の地図


【おまけ】
※今回は行ってませんが、平安京メインストーリートの朱雀大路の北端、南端の史跡を紹介しましょう。

●北端・・・蓮台野と船岡山
えんま堂から数百メートル北上すると北大路通り。この付近一帯は平安京では蓮台野と呼ばれ死者を葬る地だった。

途中のマンションの前に大きな木が立っていて、どう見ても「切ろうとすると何かが起こった」感じを受けたりもする。
北大路すぐ手前の上品蓮台寺には源頼光と四天王と呼ばれる武将たちが御所を襲った土蜘蛛を討ち取った事件にまつわる塚があるという。墓地の広大な寺なので私もどこにそれがあるのかは知りません。

その境内から東に小さな山が見える。これが船岡山。
平安京造営当時、風水でいう玄武がこの山だったという説がある。
階段を少し登るとすぐに頂上、京都全体が見渡せるので驚くが、不思議と街からこの山は見えない。
休日の昼間でも人が少なく「女性の一人歩きは危険」と麓に書いてあるので一応、要注意。


●南端・・・羅生門跡と西寺跡
都の入り口、羅生門の上には兜跋毘沙門天像が祀られていたが、門の崩壊によって東寺に移されたという。それが東寺宝物館にある国宝の像の由来。
羅生門の左右には五重塔を持つ東寺と西寺が建っていたわけだ。

羅生門跡
先ほどの千本通を南下すれば羅生門。だが、JR梅小路機関区があったりして直進はできない。
そこで東寺からの道順は・・南門、九条通り側に出てそのまま右手(西)に500m程歩くと表示があるので右(北)に少し入ると小さな公園の中に羅生門跡の石碑があります。

西寺跡
そこから西へ500mあたり一帯に西寺があったわけだが、石碑の位置が東寺講堂と緯度があわせてあるせいか、羅生門跡よりやや西北西、唐橋小学校の北隣、やはり公園に西寺跡があります。



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