【集合〜移動】
紅葉狩りシーズンもラストとなった連休初日、絶好の秋晴れ、風も無い好天に恵まれた京都市内は修羅場のような交通
渋滞が予測されますが、あえて自動車を使って市内を離れ、醍醐方面ツアーを開催致しました。
JR京都駅・南側の八条口(構造が簡単で駐車場と改札までの距離が近い)で五空 月影 よっしーさん(五十音順)と集合。
国道一号線五条通も行楽シーズンだけど、東行きは平日に比べてかなり空いていて、予定より早く醍醐寺着は12時。ただし、駐車場が満車!しかし、臨時駐車場がオープンしていてすべりこむ。ホッ。
【醍醐<だいご>寺】 眞言宗醍醐派総本山 拝観料下記↓ P・500円 |
金堂・霊宝館・三宝院の拝観は各600円。三ヶ所のすべての通
しのチケットは割引されていて1500円。
ところが、各ポイント単体でもペア券というかたちで600円が500円に割り引かれているようなので、ここで100円の節約。
醍醐寺では、やっぱり桃山時代の三宝院・御殿と庭園が一番人気。(仏像は無いけど納経所はここ!)団体客もここに通
されるのでけっこう混んでいるから今回はパス。
境内は菓子や漬物の屋台が並んでにぎわっているわりに霊宝館はかなり空いてました。
新築の霊宝館の周りは大きなシダレザクラが多数植えてあり、春にはすごい美しいでしょうね。
巨大なメインホールには上醍醐寺から降ろされた公表スペックより大きく見えてならない重厚な国宝・薬師如来坐像と両脇侍、さらに脇に帝釈天坐像(騎象)と閻魔天坐像(騎牛)が並ぶ、う〜ん荘厳・・しかし我々はひととおり拝むと「帝釈天の象のカタチ」についてあーでもないこーでもないと話し出す・・・。
今年のカレンダーのモデル、スパイラルできめた重文・如意輪観音もいる。コンパクトなだけに顔がかわいい。
快慶作・不動明王坐像も醍醐寺らしさの伝わる仏像だ。
そしてマウスパットにもなってる平安時代の五大明王像!すべて火炎光背、わりとあっさりした造形ではあるが、身軽で今にも素早く動き出しそうな迫力がある。ついつい顔がデビルマンという発言も・・そう目が大きいのです。そして気になるのがカワイイすぎる大威徳明王の牛・・よ〜く考えると普通
は牛が「お座り」しているものだが、この像では四本足で立っているのだ!
仏像13躯、どれも素晴らしい!仏画12点もなかなか面白い作品ばかりで、他にも工芸品、書画多数が展示されている。なかなか興味深いのは「円盤型が並んだ版型」のような金属製の種子曼荼羅だ。これはショップに両面
開きのファイルが売ってた。(胎蔵界・金剛界)
宝物館をひととおり拝観したところで、ほーき氏が到着、先行組みは拝観を終えて露店の焼き山栗(カラッと焼いてあって手が汚れない、美味)などをつまみながら仁王門へ。
この仁王像、平安時代作の重文。東京での醍醐寺展へ搬送する際、仁王門から出す作業が行われ、腰の高さにある横木をリンボーダンスのようにくぐって出したそうだ。(入れるほうが難しいぞ。)
仁王門をくぐると背の高い杉に囲まれて、ほの暗い。そのせいか強く紅葉していない微妙な色合いのモミジのトンネルを抜けると、国宝・金堂と五重塔が見える。
五重塔付近は普段は「境内自由」なのだが、紅葉と桜の季節は有料になっている。そのかわりといってはなんだが金堂のいつもはよく見えない薬師如来 両脇侍 四天王の七体にライトをあてて公開しているが、ライトのせいか白目が異様に際立っていた。
いずれも鎌倉時代の作、四天王は左右バックスは直立気味でスマートに、フォワードは踏ん張って腰から下を幅広く表現したスタイルになっている。
京都最古の国宝・五重塔は朱色の剥げた色合いであるが、なかなかバランス的に興味深いものがあって、皆でけっこうじっくりと眺める。いや、青空に紅葉と五重塔が映えました。
【法界<ほうかい>寺】 真言宗醍醐派 拝観料400円 P拝観者無料 |
ほーき氏と合流して次は日野 法界寺へ。国宝の阿弥陀如来坐像(丈六佛!)を拝観。他に拝観者はほとんどおらず、なかなか味わい深い。受付で売っている絵葉書の見本が退色しているが実物はカラーで美しい。
国宝・桧皮葺きの正方形の本堂中心部にに正方形の内陣が組まれ、四本柱に囲まれた阿弥陀如来が鎮座する。そのため阿弥陀像はサイドや後ろからもよく拝める構造だ。
定朝様式で左右各七体の飛天を持つ光背の上品上生印を結ぶ阿弥陀像はお口が小ぶりでなんとも上品なお顔。
内陣の天上近く、内側の壁面に飛天が描かれ、現存する完全なものとしては国内最古の壁画(重文)とのこと。その外側には阿弥陀坐像が、また周囲の柱もかなり剥落してるが金剛界曼荼羅が、天井や周辺の木材部分に赤や緑で宝相華文様が描かれ、藤原時代の極楽浄土デザインがなされていたそうだ。
拝観料を払うと住職がお堂を開けてライトで照らしながら説明して頂けます。壁画の退色を防ぐためか、堂内はわりと暗めですが、如来像の飛天を透かし彫りにした光背が懐中電灯に照らされて背後の白壁に大きく影絵のように投影されるというのがなんとも面
白かった。(住職が影絵みたいでしょ?といって影を揺らしてくれると、飛天がゆらゆらと・・・)
なお、隣接する薬師堂は参拝の対象になってますが十二神将は非公開、薬師如来立像は秘仏。(各々重文)
法界寺駐車場付近はクルマが離合できないほど細くなっているけど、これまた平日ほど通
行が無くわりとスムーズ。府道外環状線・地下鉄醍醐駅でほーき氏を降ろして、まだ少々寺院拝観できるゆとりはあったので続いて小野 隋心院へ。
【隋心院<ずいしんいん>】 真言宗善通
寺派 拝観料400円 P拝観者無料 |
車中でほーき氏に頂いたインドのマンガを見ながら、あっというまに到着。いや〜すごく道路が空いてる。
自動車で行くと隋心院北側の塀沿いに走って駐車場に入ることになります。(この広い道を東に直進すると国道一号線・
大津・名神方面に接続)
隋心院は善通寺と関係深い寺院で小野小町の屋敷跡ともいわれる地に建つ門跡寺院。
立派な御殿のような構造のせいか門の付近で時代劇の代官屋敷という設定のロケをしていることも多い。
小野小町にあやかった信仰も多く、十二単衣の美女を描いた絵馬に「小町のようになれますように・・」とか恋愛成就の願いも多い。しかし女性陣は「小町は性格が悪い!」「恋愛は成就せんぞ!」とか言いつつ拝観受付へ・・。
この寺院の周囲には小町が深草少将と逢うたびに集めていたカヤの実を植えたといわれるカヤの木が道路にハミ出しながらも何本か保存されておりました。
もちろん老婆と化した「卒塔婆小町像」もあり、醍醐寺にあった「役の行者像」と並べたい、とかアホなことを言いつつ仏間へ・・
仏像は快慶作金剛薩たがなんともステキ。これまた美しい本尊の如意輪観音との二体は鎌倉時代の作ですが、創建が古い寺だけに定朝作・阿弥陀如来坐像、伝・小野小町作地蔵立像をはじめ他は平安期の仏像が多いです。
庭園に面した回廊に座って観光満喫・・・って、感じのお客さんが多いけど、仏像前はガラガラ。
ここは何故か仏像が撮影禁止ではないようなのです。高さ90センチくらいに揃った仏像が横一列に並んでますが、ただちょっと距離があるし、御簾がお顔の上にかかっているので相当ローアングルから拝見しないと全体を拝みにくいが、このお寺は畳も綺麗で掃除もよく行き届いており、寝転がった姿勢になったり、如意輪観音の真似をして座って足の裏を合わせたりと結構ゆとりある拝観ができました。
時間に余裕があれば真言宗観修寺派総本山「観修寺」(かじゅうじ)がここから近いけど拝観は庭園のみ。(御殿が立派だが非公開・・)
【休憩〜移動】
この界隈は焼肉やラーメン屋は多いのに、駐車場付き喫茶があまり無いように思う。市内に戻る大石街道(あの大石蔵之助に由来)の沿線に唯一ある老舗喫茶「再会」にうまい具合にすべりこんで一服。この店ディナーとかもやってるのね。
国道一号を使って市内中心部に入る、平日より空いているが、京都から出ようとする対向斜線は無茶苦茶混雑。
観光以外にも、買い物客なんかで道路が混むと思ったが、今回は事故も渋滞も全くなく、目安にした平日の移動時間より短く、ロスなく本当にスイスイ行けました。
【飲み会〜解散】
老舗の和菓子屋(二条若狭屋・P有り)で上生菓子のお土産購入、大阪組がJR京都に帰りやすい地下鉄駅近くのオフィス街に新規オープンセール「飲み放題&フード半額」のダイニングで飲みまくったものの二時間制限だったため徒歩数分、西国観音札所・六角堂近くの生ビールの安い居酒屋で汲み上げ湯葉、焼き銀杏などアテに飲んで話してたらあっというまに閉店時間の11時になってしまい、地下鉄も終りそうなので、偶然停まってた割安で有名なMKタクシーに乗り込んで大阪組は京都駅へ。
集合〜解散まで約12時間 仏像30躯拝観・3800円位で約5時間ほど呑んだ、秋晴れの京都ツアーは無事終了致しました。皆様お疲れ様でした。
自動車以外での交通の目安
◆醍醐寺へ
●市営地下鉄利用の場合
(他にバスルートもありますので市販のガイドブック等を参照してください)
●京都駅より地下鉄で北山・宝ヶ池方面・「御池駅」下車
東西線ホーム(下)へ移動、「醍醐」(終点)行きに乗り替え合計時間最大約60分程度
+醍醐寺まで徒歩約700m
地下鉄各線は6〜8分間隔で運行。
東西線はときどき、「市役所前」まで、とか途中までしか行かない電車が来ますので要注意。
◆隋心院へ
地下鉄小野駅(醍醐のひとつ京都より)下車 徒歩約500m
隋心院〜醍醐時は奈良街道沿いに約1キロ。
醍醐寺〜法界寺は約3キロ。
※醍醐寺前バス停から「石田」下車、東へ約1キロ
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