【東寺<とう・じ>(教王護国寺<きょうおうごこく・じ>) 目玉:観智院の五大虚空蔵菩薩など】 |
六波羅蜜寺の後で別れていたメンバーが再び集合。四条河原町の阪急でお昼したのですが、そこの9階あたりにいた人形「八七丸(はなまる)君」が可愛かったのでぱらいそ堂に横に並んでもらって写真を撮った。
【観智院<かんちいん> 目玉:五大虚空蔵菩薩】
バスで移動して観智院へ。東寺の北大門を出てすぐ右にある小さなお堂だった。ここも特別公開(秋の公開は10月28〜11月5日)だってのに人が少ない。すぐ入れました。
★枯山水式の庭(五大の庭)がある。写真はシャチ。なかなか可愛らしい庭です。関係ないけど観智院の向い側の中学で式典かなんかがあってオケの練習が聞こえてくる。純日本風庭園に洋物音楽・・・、物凄〜くミスマッチで変、痒〜い感じがした。★客殿には二刀流、今はバガボンドで有名な宮本武蔵筆の「鷲の図」があった。武蔵は一時期観智院に隠れていたらしい。絵は上手かったです。道を極めた人ってえのはツボを押さえるのが上手いのでしょうかね。
★五大虚空蔵菩薩(→仏前やのう〜。16号を読む)は横一列に並んで木箱のような台の上にいました。すごく古いのだろう像は真っ黒、てか鉛、鉛筆の芯色。長安から持って来た舶来仏だそうです。顔はなんか皆間の抜けた、緊張感のない顔してます。間延びしているというのか、縦長で美人顔ではない。首が短くてバランス悪いです。宝冠を冠り、光背は円光に宝珠が付いたもの、左手には同じは鈷<こ>のついた杖を持ちつつ右手には宝珠や蓮華などを持っている。あんまり顔に似合ってないが、一応瓔珞やら腕釧やらでゴージャスに装っている仏です。一番イカすのは鳥獣座<ちょうじゅうざ>だった。すごく個性のある、味わい深い顔をしてて、一度見たら忘れられないキュートさです。左からちょっと感想を。※()内はもともと置かれていた位置。
★迦楼羅に乗る蓮華虚空蔵菩薩(西)迦楼羅は普通のデカイ鳥っぽい。胸がどーんと堂々とまるくて好ましい。
★孔雀に乗る業用虚空蔵菩薩(北)仏、左手、鈷がない。「高木ブーみたい」と書いてある。他のに比べて下膨れ。孔雀、一見して隣の迦楼羅と区別つかん。が、仏の後ろに伸びた長い尾が違うトコ。孔雀に見えないけど、隣同様脚が太く、短くてデフォルメ系なのに爪はリアルで面白い。
★馬に乗る法界虚空蔵菩薩(中央)仏、左手、鈷がない。右手宝珠もついた丈の長い蓮華を持つ。馬も乗せ主につられたのか首太いなあ。多分、この頭の大きさだったら体はあと2倍くらいはあるはず。脚がまた短く、まるでブタの脚みたいです。いや、可愛いんだけどね、この馬。
★象に乗る宝光虚空蔵菩薩(南)妙法院のもそうだったが、それより酷いしわの寄り方。そういう細かい線の入ったビニールスーツを着ているみたいだ。耳が小さい!鼻が短い!牙左右に3本ずつもある。
★獅子に乗る金剛虚空蔵菩薩(東)困ったような間抜けな顏しているが、この獅子が一番ヤル気ありそう。右脚前に出して身構えてるし、一応口開けて吠えてるみたいだし。他のは今一偉い人乗せてるって自覚がない普通の顔してました。
★隣の小さな部屋に愛染明王がいた。私は愛染明王も好きなので浮かれてみる。ここのは恐い系ではなく丸いフォルムのムッチリ可愛い系。体の線がいちいちデフォルメされていてアニメっぽい感じがする。鼻が丸いせいもあるのか手塚アニメに出て来そうだと思った。
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左:五大の庭のシャチ。宝玉を口に銜えている。
右:八七丸(はなまる)君とぱらいそ堂
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【東寺 講堂 目玉:立体曼陀羅】 |
★東寺と言えば立体曼陀羅!(→仏前やのう〜。02号を読む)ということで講堂へ、堂内はかびくさかった。観智院と打って変わってさすがメジャー空間、ツアーの団体客で通路(?)がいっぱいで身動きとれない。しかたなく入ってすぐの菩薩部をじっくり見る。一際でかい金剛波羅蜜多<こんごうはらみった>を中心に金剛宝<ほう>、金剛法<ほう>、金剛業<ごう>、金剛薩た<さつた>の五菩薩がいる。その外に持国天、梵天、多聞天がいる。実はここでは菩薩や如来はあまり記憶にない私、今回も「ん、綺麗に出来てるな」くらいしか認識できません。それよりも多聞天、中国風の鎧がかっこいい、落ち着いたポーズの堂々としたおやじ。持国天、目ー剥き出しにして吠えるアンタも逞しいが踏み付けている邪気も逞しいぞ。梵天、三面四臂でつるっとした顔をしているのでスマートな印象があったのだが、わりと肩幅のあるがっしりした仏だ。顔は、、、オカマさんっぽくない?ごめん、まゆげ細い、丸いカギ鼻、つぼみの蓮華を掲げたさま、なんか全てソレっぽいです(注:バカにはしてませんよ)。にしても蓮華座を背負うガチョウが可愛いったら。上向いたり、口開けたりしてます。良い良い。
★早く反対側が見たいなーと思うがなかなかガイドさんの説明終わらず、、、でもすんません、もうがまんできません!ということで人波を蛇行しながら大日如来の前まで移動。ドでかい本尊、大日如来を中心に宝生<ほうしょう>、弥陀、不空、阿しゅく如来がいる。大日は智拳印を組む金剛界のひと。やっぱデカイわ。平成の修理を終えてさらに金ぴかになった感じがした。でもこのひと頭でかいよね、バランス欠いてるよね。鼻の下が極端に短い仏ですな。他の如来は皆そう代わり映えのないお偉方。周りの異形仏に押され、肩身が狭そうだ。
★さらに奥へ移動。来ましたっ!待ってましたっ!明王部!!かっこいいー!やっぱ東寺に来たら密教仏っしょ!不動明王像を中心に軍荼利夜叉<ぐんだりやしゃ>、大威徳<だいいとく>、金剛夜叉<こんごうやしゃ>、降三世<ごうざんぜ>の五大明王。光背の火焔光もイカす、やる気満々、気合い入りまくり仏。皆多臂で怒ってて髪逆立ってます。この方達、塗っている色が剥がれてるところが模様みたいで私は好きだ。 荒くれっぽい感じが増しているように感じるのです。★今回は牛に乗っている大威徳の六本の足が気になった。右足が3本揃って下りててその規則正しさが手や跳ね上がった足の指先のイレギュラーさを対比させる役割を果たしてて良かったよ。
★そしてその外側に増長天、帝釈天、広目天がいる。かー、ここの締めはやっぱ帝釈さんだわ、ああ、男前、仏前!どうしてこんなにクールかね。きっと不言実行タイプだね。乗ってる象はね、大分まともな方。目が宝刀の象より10倍くらいありそうな三日月目なんだけどね。
【金堂 目玉:薬師三尊像】
★金堂にはでかーーーーーい薬師三尊像がいます。こっちも講堂本尊同様金ピカ。なので私はあんまり好きではないのです。しかしデカイと単純に迫力ありますね、見上げなくては見れないってのはそれだけでヤラレタって気になる。
★日光、月光菩薩、デカっ。腕が太くて長い。手もデカイ。蓮華の茎長い。ちょっとやり過ぎな感じがする、「濃いーな」という印象が強い2人だ。近寄って下から見るとすごい迫力。顔がかなり遠くにある。下から見た方が好みだな。へそ辺りに付いてる輪宝がオシャレだ。
薬師如来も大きい。ここはお堂がでっかいのでスケール感が鈍りますが、あれだけでかい日光、月光よりもっとデカイこの薬師如来も相当巨大なはずだ。顔はとぼけてておっさんぽい。化仏も大きく、下から見上げると乗ってる蓮華の下が見えるのだが、蓮華にしては肉厚で丸みがあって百合根みたいだなと思った。薬師如来の縁の下には十二神将がいる。像には青や赤、緑の色が所々残っている。台の金色の前に色つきのユニーク像という組み合わせにタイのワット・プラケオの塔を支える鬼を思い出した。像は小さいが(1mくらい?)動きの激しい、十二神将らしい十二神将だと思った。顔は普通
の十二神将よりもちょっと年配だと思います。
【宝物館 目玉:兜跋毘沙門天像】
★秋期特別展で開いている宝物館へ行く。ここも人が多い。入ると土産物コーナーがあり、なかなか良いデザインのTシャツとか腕時計とかがあって惹かれる。でも今回は絶対欲しい!ってのはなかったので何も購入せずに見仏しに行く。今回は私の苦手な曼荼羅が多数展示されている。なぜ苦手かと言うと曼荼羅見てるとあれこれ考え出して気持ち悪くなるから。いや、本当はそうやっていっぱい考えろよ!という意味で作られたものだと思うから正しく見れてると思うんだけど、細かいのって、本当、偏執狂っぽい感じがして苦手なのです。それにしてもあっちもこっちもマンダラだらけ。それでも私にもオッケーだった唯一のものは星座が描かれていた「北斗曼荼羅図」。マンダラらしくないさっぱりさが良かったです。
★2階に上がると部屋の手前に如来坐像がいる。阿しゅく、釈迦、薬師如来だそうだ。トバツと同じくこれも宝物館の常設らしいけど今まで記憶になかったなあ。すっごく古そうな銅でできた仏、明代のらしい。仏なのか?って思うほど珍しい顔。アニメの日本昔ばなしに出て来そうな簡単な顔だ。雨型、涙の粒型をつぶしたようで頭の上がちょっと丸くつまんだように尖ってて顔は伏し目で笑ってる。体もつぶれたような、溶けたような、こどもが粘土で作ったようなくずれた形でほほえましい。見てると幸せになれる感じのピースな仏だった。
★兜跋毘沙門天<とばつびしゃもんてん>は今回は部屋の右の後ろ隅に展示されている。(→仏前やのう〜。25号を読む)これじゃあ良く見えないよ・・・。けど好きな仏なので頑張って見る。全く、スタイルのいい仏だ。腰がすごく上の方でくびれている。以前、後ろ姿を見たことがあるのですがお尻もキュッと上がっていてかっこよかった覚えがある。もともと背の高い像だが、光背の火焔輪宝があるせいでより一層像高が上がっている。踏み付けている3人のうち地天はシリアス路線なのに鬼2匹の顔がこんなんでいいの?ってくらいユニークだ。これ作った人は鬼で茶目っ気を出してみたのか?それにしてはトバツとのギャップが激しいと思うのだが。ま、いいや。トバツが見れてとりあえず今日は満足だ。
★東寺はまさに土産天国、グッズにとても力を入れているいいお寺さんだ。今回は「国宝東寺」というちょっと図鑑っぽい本を入手した。カラーがたっぷり入った全176ページで1500円と言うオトク感たっぷりの代物。指輪もあったがその日もしてた長谷寺の純銀のリングの方が良かったので買わなかった。次は仏フィギュアを出して欲しいもんです。
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◆東寺(教王護国寺)◆
京都府京都市南区九条町1
◆アクセス◆
市バス:東寺東門前,東寺西門前,東寺南門前下車すぐ
◆拝観時間◆
午前9時〜午後4時30分
◆拝観料◆
金堂・講堂・五重塔 500円(大人)
特別公開時共通券 800円(大人)
※宝物館は春期3月20日〜5月下旬、秋期9月20日〜11月下旬特別公開
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【永観堂<えいかんどう>(禅林寺<ぜんりん・じ>) 目玉:みかえり阿弥陀仏】 |
永観堂は夜の拝観(11月1日〜26日)をやっていたのでそれを目指して行く。紅葉で有名な寺だがまだ時期が早くほとんど赤くなっていなかった。ところどころ色付いているところにはちゃんとライトアップされていて、そこがスナップポイントだ。流石に赤くなっていると綺麗だな、と思った。見返り阿弥陀は一番奥のお堂にいるのだが、途中ですれ違ったカップルの彼氏の方が「ここって見返り美人がいるんだよなー」っていってたのはビビッた。そんないい加減なこと言って、阿弥陀に会った時、彼女にどう説明したのだろうか?
★「永観おそし」と振り返る、見返り阿弥陀仏は相変わらず小さい人だ。耳が長い、仏は皆長いんだけどこの方は余計長い感じがした。久しぶりに見たら結構肉感的な像だなと思った。納衣が重くてしっかりした感じなのに胸だけはだけているからそう感じたのかもしれない(ホントか?)。頭が小さく子供みたいな顔をしておられる。左を向いているので左にまわって正面
から見た顔がいいですね。
★永観堂の夜の拝観はデート・スポットに最適だと皆で話していた。今頃はきっと紅葉もきれいだろうし、ライトアップでさらに綺麗に演出されているだろうからデートと見仏を両立されてたい人はどうぞこの時期を狙ってくだされ。
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◆永観堂(禅林寺)◆
京都市左京区永観堂町48
◆アクセス◆
市バス:永観堂前下車 徒歩3分, 東天王町下車 徒歩5分,地下鉄東西線蹴上駅下車 徒歩10分
◆拝観時間◆
午前9時〜午後5時
午前8時30分〜午後5時(11月のみ)
◆拝観料◆
500円 小学生400円
1000円 小学生800円(11月のみ)
夜の特別拝観 500円 |
◆そして夜は飲み会でした。5人で歓談、会食。私はまんまと酔っぱらいました。ここは京都駅から超近く(徒歩5分程)、なかなか旨くて安かった。行く前に調べたらネットのオフ会とかにも結構使われているらしい。なかなか当たりなお店でした。
・すいしん
京都駅前SKビル1F
営業時間 夜/午後5時〜11時30分
電話 075−365−8888
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a-k-i-r-a@2000.11.24
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