仏前な日 仏像に関する情報を仕入れた日に更新します。

第07日(2000.11.03〜05)
情報:「仏前!ツアー in 京都」
   第二日目(11月4日)Part 4.
   六波羅蜜寺:
御本尊御開帳 妙法院:普賢菩薩像など 三十三間堂:千手観音像など


【今日の見仏メンバー】

昨日(11月3日)からご開帳されている六波羅蜜寺の秘仏十一面 観音を見るため京都駅に7時半集合というおっそろしいスケジュールで幕開け。なんとか起きれて時間に到着。今日は昨日に引き続きよっしーさんと月影さんとぱらいそ堂さんとご一緒します。昨日の曇り空と打って変わったすっごいいい天気。ではまず六波羅蜜寺へ。



【六波羅蜜寺<ろくはらみつ・じ> 目玉 :秘仏十一面観音ご開帳】

あー昨日からのご開帳だしなー、混んでるんだろうなー、どれくらい並ぶかなー、でも朝一だし30くらいで大丈夫じゃん?などと心配しつつ、六波羅蜜寺へ到着。「御本尊御開帳」(だか十一面 観音御開帳)の旗が翻っております。が、誰も、だーーれも並んでません。えっらい拍子抜けはしたが並ばず見れるに越したことはない!ついてるぞ。「辰年御本尊様開帳」記念のお札「淵龍の御符」を貰いお堂に上がる、とそこに朱印を押してもらえる。その印がクルミを割った様な形でかっこよかったので「これは何を現すのですか?」と聞いたのだが「今回の御符は緑でしょう、この色は五色の内の一色で12年ごとに色が変わり、次に緑色を配るのは60年後の辰年なんですよ。」「はー、そうなんですか。」で会話が終わってしまった・・・。
はいはい、ご開帳!ご開帳!参拝人が私達の他に4人くらいしかいないので清水寺と違って真ん前で堂々と見れる。んーでかい。腰を左にひねったかなりずんぐりどっしりした感じの仏。顔は男顔。はー、なーる程ね。とひとしきり見仏し、宝物館へ。
宝物館で気になったのが“夢見地蔵”と言われる地蔵菩薩坐像。地蔵なのに優しそうな女性的な感じじゃなくて健康的で男性的。今時の体格の良い若い男子のようだ。頭も坊主じゃなくてちょっと伸びた感じで耳に金の輪のピアスしてるし、瓔珞が太いのがブラザー系の金チェーンっぽいのでそう感じ
るんだろうな。ややっ、また玉 眼だよ。私、玉眼好きなのだろうか?
ここでふとさっき見た秘仏に違和感を感じる「あれ?秘仏って十一面 観音じゃなかったっけ?」普通の観音のイメージしかないぞ???、と、もう一回戻って見てみる。な、なるほど記憶がないのも当然。だって頭上の十一面 、天井から下りてる幕のせいで見えないんだもの。これじゃあ聖観音みたいだね。いっくら床に這いつくばってもちーとも十一面 は見ることが叶いませんでした。
六波羅蜜寺、空也さんは口から出た「南無阿弥陀仏」がおもろいんだけど、この像はぱっと見がコワイです。いつも思うんだけど、これって口から出てるっつーより吸い込んでない?なんか化仏食べてる感じがするから恐いんだよねえ、きっと。(あああ、バチ当たりー。でもさー、そう見えるもんはしょうがないよ。)


 左:本堂  右:正面が秘仏

◆六波羅蜜寺◆
京都市東山区松原大和大路東
◆アクセス◆
京阪五条駅から徒歩10分 市バス:清水道下車 徒歩5分
◆拝観時間◆
午前8時〜午後4時30分
◆拝観料◆
宝物館500円 ※平成12年12月5日まで本尊特別公開





【妙法院<みょうほういん>  目玉:普賢菩薩像など】
はい、そしてここで一端よっしーさんと月影さんと別 れます。それぞれ知恩院の三門と清水寺の御開帳に行くらしい。私はぱらいそ堂さんと三十三間堂へ。バスに揺られていると妙法院の「特別 公開」の看板に目が止まる、二人で顔を見合わせ「行っときますか」と即決で拝観することに。ここにめったに京都に来れない東京人の必死さが伺える(笑)。 拝観入り口にはめっちゃ可愛くてぴちぴち(死語)の大学生くらいの女の子が受付してました。とっとと上がるとすぐ屏風絵やら輿やらあります。特別 公開なので係の学生さんがおじさんおばさん相手に説明してますが、まったくそこらには興味なしなの私は無視状態で先に進みます。ぱらいそ堂さんはもしかしたら聞きたかったのかも知れんがとりあえず目当ての『仏』を見ないと気がすみません。

普賢堂は庭のちょっと離れた所にあった。小さいお堂に入ると正面 、高い位置に普賢菩薩がいた。かなり細身、こんなに細いの珍しい、なっかなか綺麗な文殊さん。像高もかなり、4mくらいはあるのではないかな。乗ってる象もかなりデカい。実物が見れず想像して作ったと思われ、8本くらいの牙があり、いくらなんでもってほど皮膚にしわがよった象。きっと猪あたりが最大のモデルだね。それにしても普賢さん、思ったよりイイ仏でもうけたなあ。高い拝観料(800円)払って来て良かった。 見てもいいということなので像の真下、それこそ象と鼻が着くくらい近くで見上げてみる。こんな角度で見るのって初めてだが、手元から頭にかけバーン!と仏にパースがついてかっこいい!思わず崇めちゃいそう。皆さんも機会があったらお試しあれ。
壁を見ると文殊のモノクロ写真が貼ってある、美人!あれ?ここの文殊と似てるかも。聞いてみたらどうや同一仏らしい。うーん、でもどーしても同じ仏と思えない。いくら角度が違うとはいえ、写 真の方がふくよかで優し気で持ってるモンも違うのです。納得いかん。寺出る時楽しみにしていたのにこの写 真売ってないし。ちぇ。


不動明王像とか書院とか結構見るモンいっぱいあったのですが、ふすま絵などちらっと見ただけで廊下でひなたぼっことかかます。この日はすごくいい天気で、寝不足のせいもあり、あやうく寝るとこでした。ちょっとリフレッシュして今度こそ三十三間堂へ。(なんか特別 公開の意味を履き違えてますが)


◆妙法院◆

京都市東山区妙法院前側町447
◆アクセス◆
市バス:東山七条下車 すぐ(公開は特別拝観時のみ)
◆第36回 非公開文化財特別拝観◆
平成12年11月1日〜12日
普賢菩薩像、不動明王像、大書院襖絵、庫裡、竜華蔵、庭園公開





【三十三間堂<さんじゅうさんげんどう>(蓮華王院<れんげおういん>) 目玉 :千手観音など】

妙法院から三十三間堂(→仏前やのう〜。20号を読む)へは徒歩5分くらい。もともとは三十三間堂も妙法院の敷地内にあったそうな。はー、それにしても久しぶりです。はやく仏の団体が見たいよー。

ここまで清水寺以外は空き空きでしたが流石にここは人気があるらしく、観光客がいっぱい。修学旅行生もいっぱいでした。入ると一番手前の一番下段の観音(図1)と目が合う。横下から見るとこっちに流し目くれてるんですよ、色っぽー。
うーん。何べん見てもここの凄さには圧倒されますなー。この長さ!この数!このすごいパースの付き方!この金の反射具合!全てが圧巻ですよ。 今日は千手観音は束で見えたのであまり個々では見ず、堂全体の雰囲気を楽しんでみる。やっぱ後ろの仏は見えづらいなー、本当に一体一体個性があるなー、でこひげ満載だなー、天井高いなーと思いつつ最前列の二十八部衆を見仏。
ここのは本ーーー当に全部かっこいいんですけど、気になったものを書きます。
大弁功徳天<だいべんくどくてん>像:左手を差し出し、斜め下を見つめる妖しい美貌仏。この人、女神らしいです。「玉 眼はやっぱキラッとぬれてていいなー。」とある。どうやら私、相当玉 眼好きらしいですね。「写真のが美人」と書いてあるな。
五部浄<ごぶじょう>像(図2):二刀流のかっこいい奴。胴前で両手をクロスし、大小の刀を持つ。
迦楼羅王<かるらおう>像:羽がでかくて目も上目遣いでキリッとしててかっこいい。昨日の清水寺のと酷似。(それもそのはず、清水寺の二十八部衆はここのをモデルにしてるらしい。どうりで風神のブタ鼻っぷりなんかそっくりだわ。)
満善車王<まんぜんしゃおう>像:やんちゃっぽい!髪が細かく逆立っててかわいい!
難蛇龍王<なんだりゅうおう>像:龍を右肩に乗せている。龍がアニメっぽくていい。
阿修羅王<あしゅらおう>像:三面 六臂の三面にそれぞれ三目がついている。口を開けてて逞しい体躯。
魔ご羅王<まごらおう>像:五つ目なんだけどすごく自然についててかっこいい!でっかい琵琶を弾いている。天涯孤独、ニヒルな流し(※ここでは琵琶弾き)に違いない。きっと低音で唄うのだよ。


(図1) (図2)
 

ここで本尊である中尊の千手観音座像を見る。丈六、玉 眼、天蓋、瓔珞、光背、大振りな持物、う〜んゴージャス。四隅を固める四天王がえらい小さく見えますがノンノン、中尊がでかすぎるのですな。後ろに背負った火焔輪がかっこいいです。 ふと気付くとしおりに赤いヲ印があるので読んでみる。


ヲ中面の写真は三つ折り(Π型)に立てて御鑑賞頂けます。→

ん?なんだ?と裏返してみた(クリック!)。



すっげー!!!かっこいー!!!前回からパンフ、リニューアルしてたのですねー!実際の配置とは違うのだがめっちゃ雰囲気出てます!さすがメジャー寺、仏マニアのこと良く分ってるよなー。尊敬!素晴らしい!やっぱ三十三間堂って大好きです。今回初めて気付きましたが天井の梁(柱?)に毎年開催される弓道大会の優勝者の額が飾ってあるのですね。帰りは内陣の裏に廻るんだけど、中尊の真裏あたりで通 用扉が開いていてそこから中尊と四天王の後ろ姿が覗き見えた。バックステージから見守る関係者気分が味わえてホクホク。
ここは土産ものが充実している。ぱらいそ堂さんはここは初めてらしかったがまんまと二十八部衆のトリコになっとりました。私と同じで二十八部衆メインの「蓮華王院三十三間堂 三十三間堂の佛たち」(多分1500円)って写 真集買ってたもの。 あーいいなー三十三間堂、期待通り大変おもしろかったです。


◆三十三間堂(蓮華王院本堂)◆
京都市東山区東山七条
◆アクセス◆
市バス:三十三間堂前下車 すぐ、東山七条下車 徒歩3分
◆拝観時間◆
午前8時〜午後4時30分(4月1日〜11月15日)
午前9時〜午後3時30分(11月16日〜3月31日)
◆拝観料◆
500円 高校生・中学生300円 子供250円

 

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a-k-i-r-a@2000.11.22