第07日(2000.11.03〜05) 情報:「仏前!ツアー in 京都」 第一日目(11月3日)Part 2. 法金剛院:十一面観世音菩薩坐像 法金剛院:准胝観音立像など
★広隆寺からバスで法金剛院までは10分足らず。JR花園駅のすぐ近くです。 拝観入り口で仏手柑<ぶっしゅかん>がなっていたのを素早くよっしーが見つける(右の写 真がその時よっしーが撮ったもの)。実際に見るのは初めてな黄色くてごつい実。仏の手のように大きいからだっけ?この名前がついたのは。持ってみたら予想に反して軽かったです。 ★蓮の寺で知られる法金剛院。蓮の季節以外にも桜やあじさい、もみじ、などが楽しめるそうなのですが私達が訪れた時は萩くらいしか咲いてない寂しい庭。ひとけのない静かな境内でした。もうちょっと遅かったらきっと紅葉がきれいであろう。落着いた色あいの庭に目に痛いくらい鮮やかな紅色を添えていたのが鶏頭。特色の蛍光ピンクが混じったマゼンタ100%+イエロー100%って感じ。じっと見てるとくらくらしてくるほど彩 度高し。 ★十一面 観世音菩薩坐像(→仏前やのう〜。09号を読む)は裏の方の収蔵庫のようなとこにいる。奥行きがないのであっけない感じがする。薄暗く、ひとけがないのでやっぱ寂しい雰囲気。入るとすぐ正面 は阿弥陀如来坐像。(今拝観のしおりを読んで分かったのだが丈六なんだね。)ふっくらとして半眼状態の目がいかにも阿弥陀、な仏。蓮台の連弁にも彫刻があります。全体的に小振りでプリティにまとまっている。パーツパーツが全てだ円で出来ている。よく出来た仏だ。後背にいる飛天がどれもこれもいい味出してます。おのおの楽器を持っているのだが妙に歪んでいてそれがかえって愛らしい。特に琴を弾くコが気に入った。琴がなだらかな山型のカーブを描いてるのがイイ。多分奥行きを付けたかったんだろうけど上手くいかなくて歪みました、状態。 ★僧形文殊菩薩坐像:ありゃりゃ、広隆寺に続き、ここにも変な文殊がいるよ。じいさんの様相であばらは浮き出てるし顎も大分小さくなっている。左手には宝珠。なんかどっかの偉い坊さんなんじゃないの!?フツーの、獅子に乗ってる文殊に会いたいよう。 ★地蔵菩薩立像:ずっしりした感じ。足も太ももも肩も頬もまあるいです。相当古いのでしょうね(平安時代の作)、木肌が随分見えてて年期入ってんぞーと言ってます。 ★さて十一面観世音菩薩坐像、珍しい4臂の十一面 です。改めてみると結構小さかった。手も小さくて可愛いです。顔は妖しいんだけどね。腕が4本って変にリアルで艶かしい。相変わらず瓔珞が派手!膝まで垂れてるのか?そして乗ってる蓮台が分厚い。流石蓮の寺(?)連弁8重くらいじゃないでしょか?それにしても昔は秘仏だったのかよくこんなに綺麗な状態で生きて来たなあと感心。厨子に入ってるので頭上の十一面 があまりよく見えないのが残念。ところで、監視員いないから「ここってぐんぐん(仏に)近付けるよね」と話していたら頭上に防犯カメラを発見して一安心。まあ最低限、悪戯されたり盗まれないだろう。仏はいるべきとこにいてくれないとこっちがこまるからさ。いい仏は皆に見せてもらいたい。仏は皆のもの。 ★見仏を終え、用はないが庭をぶらついてみる。平安時代の日本最古の人造の滝を復元した、青女<せいじょ>の滝というのがあった。が、低くて水の量 も少なくて、滝には見えかったです。
★霊宝館★無人の入り口で自らチケットを切る。なんだかな、学園祭のクラス喫茶みたいじゃん。展示室に入るとガラーンとした結構大きな長方形の空間の壁を背にしてズラーッと仏が並んでいる。部屋がどうにも近代的で年代物の仏像とのギャップが激しいが、それはそれとして左側から見仏。 ★快慶作の十大弟子像。それぞれにシャカの弟子の中で抜きん出て才能のベストメンバーらしい。・・・けどご免、10人いたってことくらいしか覚えてません。表情は豊かだったように思う。黒くて像長1m50cmくらいかな、アタマもデカイです。玉 眼でした。人間のフォルムです。彼らは仏じゃないので興味ないので以上!あ、羅ご羅はつるっとしてて美形でした。でも人間だとおもうとどうも嫌味に感じるのはどうしてだろう?(笑) ★目線より低い位置にいる大日如来とか妙に写 実的でかっこいい岩座に立ってる仏とかいましたが記憶にないので私の好みではなかったらしいです。 ★でもって来ましたよ!目的の六観音像が!(→仏前やのう〜。26号を読む)左から聖観音・千手観音・十一面 観音・馬頭観音・准胝観音・如意輪観音と並んでいます。六道それぞれの衆生を救うという。 一言で言えば圧巻!美人さん勢揃い。すべすべの白木で出来ており、ところどころ見て取れる木目が新鮮でいい感じです。六体とも定慶の作で光背は唐草の透かし彫りが入った舟形。皆細身で肉感的な感じはなく、全体の印象は“しなやか”。衣の襞の流れ、腕のポーズも自然。手がいっぱいあるのに全然無気味には見えない。 ★聖観音(地獄道担当):鎌倉様式なので宗風の高い髷、切れ長でつり上がった目には玉 眼が入ってます。他のに比べ一番ノーマル仏。飾りが少ない分余裕が感じられ、頼もしい感じを受ける。顔も一番端正だと思った。 ★千手観音(餓鬼道担当):バランスよく脇の38手が配置されててコンパクトにまとまっている。本当に手のつき方が上手く、自然だー。でっかくて飾りをいっぱい浮き彫りにした十字架と言えなくもない。50分の1にしたらさぞかし綺麗なクロスが出来るだろう(いらないけど)。それくらいよくまとまってます。 ★十一面観音(修羅道担当):左腰をクイッとあげ、右膝を少し前に出している。腰ひねり仏に弱い私は「十一面 って美人多いよなー」と思う。ここのはそれほど特徴はない。頭上の化仏がちょっと変わってて、化仏の上の化仏が目立っていた。(ぽこんとアンテナ状に立体になっててでか目)
◆大報恩寺(千本釈迦堂)◆ 京都市上京区七本松通今出川上ル ◆アクセス◆ 市バス:上七軒、千本上立売下車 徒歩5分 ◆拝観時間◆ 午前9時〜午後5時(年中無休) ◆拝観料◆ 本堂,霊宝館拝観 大人500円、大高生400円 中学生300円 境内自由
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a-k-i-r-a@2000.11.19