Top雑感2018年5月(11日〜20日)

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5月11日 最高速引き上げ
 新東名高速道路の一部区間で最高速度を110 km/hに引き上げてから半年。色々な観測結果が出てきた。そもそもが社会実験のようなものなので、引き上げた
ことによる変化を捉えるのが目的だったわけで。結果としては事故件数に大きな変化はなく、起こった事故も最高速度を引き上げたことが原因ではない、
というものだった。実際に走ってみた人に聞いたところ、すぐに前が詰まるので、110 km/hで巡航できることはほとんどないのだそうだ。そもそも、
新東名高速道路は120 km/hでも走れるように設計されているわけで110 km/hで何かが起こったら逆に問題だったりする。事故が増えなかった
結果を受けて、最高速度が正式に引き上げられるのかはまだ不明だ。ましてや最高速度が120 km/hになるのは遠い未来ではないだろうか。高速道路の
最高速度は1961年に定められて以来、ずっとそのままなのだそうだ。車の性能も上がっているわけだし、そろそろ改正しては?

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5月12日 火星ヘリコプター
 NASAが火星でヘリコプターを飛ばす計画があると発表した。2020年7月に打ち上げられる火星探査ローバーに搭載されるもので、胴体部分の大きさは
ソフトボール程度、重量は1.8 kg足らずだという。プロジェクト自体は2013年8月に始まっているというから、間もなく5年が経過するようなものだ。
このヘリコプター、何が大変って火星の大気が薄いことが問題なのだ。空気をプロペラで下に押し下げることで本体を飛ばすヘリコプターにとって
大気が薄いことはそれだけ揚力を得難いということだ。火星の大気は地球の1%ほどなので、地球だと高度3万メートルにもなる。旅客機飛行高度の
3倍だ。結局のところ、重量は小さいがかなりパワーのあるエンジンを搭載する必要がある、ということだ。地上で実験するのも難しいかもしれないし、
果たしてどうするのか。車輪があって地上を走るローバーとは全く違う難しさがそこにはありそうだ。

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5月13日 改元後も
 来年5月1日に元号が改められるのだが、その後もしばらくは今の平成を使い続けることが検討されている。行政機関と民間の金融機関などが複数の
ネットワークで繋がっているシステムが対象で、納税や年金支給などで混乱を避ける狙いだとか。システムの改修には相当な時間がかかるが、国民生活に
直結する分野なので、検討されているようだ。昭和から平成に改元した時に比べてコンピューターシステムを利用する仕組みが格段に広がったため、
今回はこのような措置をとるようだ。今回については新元号の発表がいつかは分からないが、半年〜数ヶ月の猶予があってさえもこの有様。
通常の天皇の崩御によって元号が改められる場合は、準備期間無しで元号が切り替わることになり、これ以上の混乱が起こることが想像される。これが
元号が変わるたびに起こるのかと思うと、和暦で管理するのを止めるべきでは?という気がする。日本から完全に無くすのは難しいかもしれないが
行政機関や種々の管理は全て西暦に統一。これが手間が少なくて手っ取り早いと思うんだけどな・・・。

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5月14日 ATM相互無料化へ
 日本の三大銀行のうち2つがATMの手数料を相互に無料化する検討を始めた。将来は端末の統一化を目指すとしている。ATMは電気代、現金輸送など
コストが嵩むため、相互無料化を進めて自前で管理するATMを減らして維持費用を減らすことが目的のようだ。利用者側としても便利になるので
反対する理由は全くない。三大銀行のもう1つは、通帳の仕様が異なることなどを理由に当面は参加を見合わせるとしている。こうやって銀行は
コストを削減しているというわけだ。最近流行りの紙の通帳を無くす取り組み、これも実は銀行のコスト削減で、通帳を作成したり在庫を揃える
費用の他に、1冊あたり年200円の印紙税がかかるのだ。2016年度に銀行が納めた印紙税は710億円にもなるとのことで、全てが通帳とは言わないが
意外とバカにならない値段になっていることが伺える。低金利が銀行の合理化を推し進めているわけだが・・・どこまで行く?

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5月15日 チップ制の廃止
 2014年前後からニューヨークやサンフランシスコなどの高級レストランではチップ制を廃止する動きが始まっていたのだという。チップの制度のない
国からの客が払い忘れるとか、店が横領していたとか、客が計算が面倒とか色々とあるのだが、最大の理由は従業員の収入が安定しないので、固定給に
した方が人材が定着すると考えたことにあるようだ。ところが、その分だけ値段を上げる必要が生じ、また従業員は税金が増えるので手取りが減るなど
の現象が起こり、チップ制が復活しつつあるという。まぁ国のそういう事情を知ればなんとなく分かるのだが、日本のようにチップの制度のない国の
人にしてみれば面倒で仕方ない。海外に行くにあたり、その国でチップがあるかどうか、枕銭を置くのが一般的かどうかを調べないといけないなんて
面倒で仕方ないのだ。そんなのはホテルのサービス料に入っているという話もあるのだが・・・。是非とも全世界でチップが廃止になって欲しいものだ。
誰か偉い人が言い出さないかな・・・。

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5月16日 エウロパで間欠泉
 かねてより水が存在し、生命がいるかもしれないと目されていた木星の衛星エウロパ。1995年から2003年まで木星の観測を行なっていた探査機ガリレオの
データを洗い直し、間欠泉があることがほぼ確実になった。ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた画像から間欠泉の存在が疑われていたが、望遠鏡の解像度の限界や
確認の観測で観察できなかったなどの理由から科学者の間でも懐疑的な存在だったのだ。それから探査機のデータの調べ直しになったというわけだ。
実に20年以上放置されてきた観測データだったわけだ。この手のデータというものは、往々にしてデータを読む人の先入観に左右される。間欠泉のデータが
あったとしても、その発想がなければ単なるノイズとして片付けられるだろうし、今回のように見る人が見れば重要なデータになってくる。おそらく
こういう場面こそAIの出番なのではないだろうか。最近になって、AIにも偏見や先入観があるという話が出てきているが、まだまだヒトよりはマシ
だと思うのだ。それでも実用化はもうしばらく先かな・・・。

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5月17日 出世払い
 大学の授業料を出世払いにしようという提言がまとめられた。授業料を在学中は国が立て替えて、卒業後に所得に応じて返済するという。入学金と
授業料ということで、制度導入当初の運営費は9800億円と見積もられている。返済額は住民税の課税所得の9%で、最低2000円だという。今の
奨学金との違いは所得に応じて返済額が決まるということ、国が絡んでいるので、どこまで行っても住民の記録で追いかけられることだろうか。
今の奨学金は返金されない状態が続いているので、国が本腰をあげたということだろうか。問題は返済が働いている期間に終わるのかということ。
今の奨学金は年数が決まっているので、通常の定年より前に返済が終わるようになっている。所得に応じた返済にした場合に、定年を過ぎても残っている
という可能性もあるのではないだろうか。大学進学が当たり前になってしまっているが、そこを見直すということは・・・ないんだろうな。 かもしれない。

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5月18日 プリンタで自転車
 3Dプリンタで何でもかんでも作ってしまう時代が近づきつつあるが、そんな中で新しいものが出た。今度は自転車だ。しかもカーボンファイバー製の
フレームだという。3Dプリンタってプラスチックしか作れないんじゃないの?とか思っていたのだが、そういう物ではないらしい。製造にほとんど
人手を使わないので、シリコンバレーで作っていても300ドルでフレームを作れてしまうという。これって単なる作ったという実績に終わる話ではなく、
個々人の体型に合わせた自転車を容易に作ることができるということを示唆している訳で。サドルを上下させて足の長さを合わせたり、腕の長さに応じて
ハンドルを上下させて楽な位置を探したりということが必要なくなるのだ。凄いことだとは思うのだが、同時にちょっと寂しくもあるのは何故だろうか。
意外と思い通りの高さにならなかったり、曲がった状態で固定されたり、意外と固定が甘くてズルッとサドルが下がったりするのが楽しかったとは
思えないのだが・・・。

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5月19日 LGBTのトイレ事情
 LGBTに配慮したトイレの表示をしたら当事者から反発を受けたという事例が多く出ているようだ。大阪市では市庁舎の多目的トイレにLGBTを象徴する
虹色のステッカーを貼ったところ批判を受けた。京都市内ので大手ホテルも男女半分ずつのマークを使用したら批判を受けている。そこに入ったら
LGBTと見られるなどの声が届いているようだ。結局どうしたらいいのかは分からないままなのだが、下手に対応するより何もしないというのが
一番いいような気すらしてしまう。今年の春に学会でイギリスの古い大学に行ったのだが、そこのトイレには見た目の性ではなく、本人が思う性に
基づいてトイレを選択することを推奨している旨の貼り紙があった。日本での対応もこれだけでいいんじゃないか、という気がしてしまう。
そしてイギリスの古い大学が対応していたことに驚いたわけだが・・・そこはさすがイギリスと思うべきなんだろうか。

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5月20日 新元号の発表は?
 来年の5月1日に元号が新しくなる。そんなことは分かっているのだが、その新元号の発表が当初言われていた半年前ではなく、1か月前になる方針で
固まったという報道が出た。つまり1か月で和暦を使っているシステムを全て改修しなくてはならない訳で、これはかなり大変なことになる。文字コードでも
元号の合字が作られる予定なのだが、明治〜平成が文字コードで連番になっているのだが、新しい元号は離れることになる。これがどれだけ影響を
及ぼすのかは未知数なのだが、ある程度の影響が出そうな空気はある。こんなに大変なのに、本当にシステムに和暦を使う必要があるのかが疑問なのだ。
今後もコンピューターシステムは広がっていく訳で、元号が変わる度に面倒な話になるのか、ということだ。もうなんとかすべきじゃないのか?と。
不毛なシステム改修を続けるのはやめよう、と言いたいわけで。それでもお役所は和暦を使うんだろうな。

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