Top雑感2017年2月(11日〜20日)

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2月11日 全文検索へ
 書籍をスキャンして電子化、全文を対象にした検索について、著作権者の許諾を不要とする方向に動くようだ。これまでは個人が家庭内で
使用する範囲のみ可能であり、利用者が読めるように数行分をネット経由で送信するのも許諾が必要だった。本の売れ行きに影響がないと
推定されること、新たな情報を提供する社会的意義があることなどから許諾を不要とする方向で結論がでるようだ。私の場合は、いまだに
紙の本を買って読み続けているわけで、シリーズが長くなると、過去の情報を引っ張り出すのに苦労したりする。かといって自分で
スキャンするほどの気概もなく困ることが多い。このようなサービスがインターネットで広く利用できるのであれば、かなりありがたい。
問題は作家団体がこれをどう考えるかになるわけだが。実際、今のインターネット検索大手の書籍検索サービスも日本だけは大半が
本文が読めない状態になっているのだとか。結論は13日の予定、その後、各種団体が反応を示すことだろう。

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2月12日 受験を秋へ?
 2月に入り、大学の入試も本格化してきたわけだが、なぜこの時期に?という記事が出ていた。日本人は寒い冬に艱難辛苦に耐えて、希望の
春を迎えるという暦が刷り込まれているのではないか?というのだ。南と北では気候が全く違う。人生を左右するかもしれない受験が
一発勝負であること、地域間で差の出やすい1月〜2月にあるということが問題ではないか、という。センター試験の代わりとなる
「大学入学希望者テスト」の他に「基礎学力テスト」を複数回実施することも考えられている。だとしても、受験時期を早めると
高校から反発を受けるし、遅くすると大学の入学時期に影響が出る。試験の回数や会場を増やすにしても試験監督の問題やコストの問題
などなど、色々と課題が残るようだ。結局のところ、この手の日程も東京が中心になって決められており、地方のことなんて気にされて
いないのだ。地域格差はこんなところにも出てくるのだ。

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2月13日 原因はショート
 JAXAが1月に打ち上げに失敗した電柱サイズの小型ロケットについて、失敗の原因を発表した。打ち上げ後に通信異常が発生、第2段への
点火を中止して海に落としたものだ。原因は打ち上げ時の衝撃でケーブルが引き込み穴でこすれ、被覆が剥がれて機体と接触、ショートした
可能性が高いとされている。このロケット、打ち上げ費用を安くするために市販品を色々と活用したのだが、異常の原因と市販品の使用は
関係ないとされている。ロケットというと、技術の粋を集めたような物だ。そういった物が失敗する時というのは、技術的なトラブル
ではなく、こういうある意味ではショーモナイトラブルのような気がする。そんな理由で?という物が多いと思うのだ。最先端技術を
使っているんだから、ショーモナイことには気づけよ、という気もするのだが、逆に気づかないのだと思う。まぁ、ある意味では
挑戦的なロケットだったわけだから、次回への教訓として生かして貰えればという気がする。

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2月14日 学習指導要領が変わる
 文科省が公表した次期学習指導要領がなかなか衝撃的だ。江戸時代の「鎖国」という言葉が消えて「幕府の外交政策」になるとか。
「聖徳太子」という言葉が消えて「厩戸王」に変えるという。鎖国という言葉が消えるわりには「開国」という表現はそのままだという。
そして英語が変わる。英語に親しむ「外国語活動」を小学3、4年に前倒しし、5、6年では教科書を使っての読む、書くを加えた正式教科
として、成績もつくという。これらは小学校では2020年度から、中学校は2021年度から全面実施するという。英語をそんな時期から
やったとしても、どうせまた文法がどうこうという授業をやるのだろう。それが点数がつけやすく、評価しやすいからだ。結果として
話せる英語にはならず、日本人にHow are you?と聞くと必ずFine, thank you. And you?と返ってくるなんて揶揄されるのだ。教える側が
そうやって習ってきたのだから、自然とそうなってしまうわけで。学習指導要領の変更ではなく、先生が変わらないといけないと思う
のだ。負担は大きいかもしれないが。

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2月15日 火星移住計画
 さすがに考えることも規模が違うな、と。アラブ首長国連邦のムハンマド副大統領が、100年後の2117年までに火星に人類が居住可能な
小都市を建設するプロジェクトを推進する方針を明らかにした。当面はUAE国内の大学などで宇宙開発研究者の人材育成を進め、国際協力も
推進していくという。その後、輸送手段や食料、エネルギーの確保などの研究を重点的に進めていきたいと発表しているとか。さしあたり
2021年までに火星に無人探査機を送る計画が進行しているという。さすがオイルマネーが潤沢にある国は、考えることも違うな、と。
まぁ100年後には当の本人はいないのだから、責任がないと言えばその通りではあるのだが、夢のある話ではある。とりあえず、
火星まで資材を運ぶのは大変なので、現地調達できるものを調べて、そこから素材にする研究を始める必要があるのだろう。いくらお金が
あったとしても、都市1つぶんの資材を送り込むのは大変だろうから。実現可能性は不明だが、夢のある話ではある。

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2月16日 睡眠不足
 睡眠不足による経済損失を非営利研究機関ランド・ヨーロップが算出した。睡眠不足は翌日に頭痛や倦怠感を引き起こし、日常生活に
支障をきたすだけでなく、労働者の生産性を低下させ、死亡リスクを高める、というものだ。調査によると日本の経済損失は年間1380
億ドル、GDP比では2.92%だという。アメリカでは4110億ドルとなっているとか。日本では社会全体で年60万日を超える労働時間を
損失しているというのだ。私は元々睡眠時間が短い人なので、週の真ん中くらいに一度7時間くらい眠れれば、あとは3、4時間睡眠で
いけるので、労働時間という意味では稼いでいる方の人間だとは思うのだが、世間の人が同じことができるとは思っていない訳で。
短時間の睡眠で足りるようになるのは、慣れだと思う。睡眠不足が経済損失を与えており、それを懸念するのであれば、長時間労働を
抑制する政策を強く推し進めるか、短時間の睡眠でも平気なようになるか、だろう。意外と平気なんだけどな、3時間睡眠って。

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2月17日 AIタクシー
 何でもかんでもAIで補完しようという動きが、とうとうタクシーにまできた。残念ながら自動運転ではなく、ニーズの予測だ。携帯電話の
会社が関与することで、携帯電話の利用状況を元にした人口統計、タクシーの運行データ、気象データ、店舗などの施設情報などから、
30分後にタクシーの需要がどれくらいあるのかを予測するという。地図を500 mメッシュで区切り、予測精度は90%を超えるという。
そんなに高い精度が出るというのは意外だった。携帯電話の利用状況と言っても通話やメールの中身までモニタしているとは思えないので
通信量なのだろうけど、それで90%を超えてくるとは。きっと何らかの傾向があるのだろうけど・・・。駅前にタクシーが必要以上に
溜まっているのをよく見るが、それよりだったら予測された需要を元にして客を乗せた方がいいのだろう、きっと。全国に広げるのは
さすがに難しいんだろうな。そもそも、田舎に行くと流しのタクシーが少ないし・・・。都会の特権だな。

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2月18日 制度の限界か?
 応援したい自治体に寄付すると、居住地の税が軽減される「ふるさと納税」にひずみが出始めている。もともと、返礼品の競争過熱で
だいぶおかしなことになっているのだが、この制度で大幅に税収が減る自治体が出てきているのだ。目玉商品がない東京23区では
2017年度では208億円になると見込まれている。元々の金額が大きいのだからいいだろう、という話もあるだろうが、そんなに単純では
ないわけで。さすがに住民サービスが危なくなるところまではいかないと思うのだが、小学校1つを改修できるだけの税収が消えた
自治体もあるらしく・・・。返礼品目当ての寄付が増えている結果、今住んでいる自治体のサービスが低下するのでは、何かが間違っている
としか言いようがないわけで。そろそろ国としても制度を改めるなどして、対策を取るべきではないだろうか。

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2月19日 初回は今週末
 政府が肝いりで始めるプレミアムフライデー。毎月最終金曜日は15時に終業してちょっと豊かな時間を過ごそうというものの、第1回目が
今度の金曜日になる。半日、もしくは丸1日の有給休暇の取得を勧める企業はあるようだが、大胆に就業時間を変更するというところは
稀のようだ。第一、有給休暇を取得ということは、自分の責任で自分に与えられた休みから捻出してください、という方針な訳で、
政府の方針に従っているような、従っていないような微妙な状況だ。企業側としては、そんなことを急に言われても、という感じで発表
されたプレミアムフライデーなので、こんな対応になるのも仕方ないのだろうが、終業時間の変更がそんなに簡単ではないのも事実
としてあるのだろう。企業としては従業員に働いてもらわないと困る訳だし。果たしてどうなることやら。とりあえず、うちの会社では
有給休暇取得を勧める日に指定されているが、それだけでしかない。

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2月20日 自動翻訳
 ある程度の簡単な日本語を自動的に英語に翻訳してくれる拡声器なんてのはできているのだが、今回、公共放送が開発したのは気象情報を
手話にするというもの。手話通訳士の動作をモーションキャプチャーで記録、基本的な手指動作や表情を表すCGを事前に作っておき、
気象庁から発表される情報を元にCGを組み合わせるというもの。今のところ、手話CGの分かりやすさや自然さの意見を募るためのもので
検証の段階だ。実はこれまでにも同じような試みは行われていて、CGの映像は公開されているのだが、自動生成ではなかったようだ。
しかも、そのCGの人物は中途半端にリアルにした結果、見事に不気味の谷に落ち込んでいる感じ。今回のCGは、ヒトの顔にしては
目が大きく、漫画っぽくなっている。そのためか不気味さは消えており、CGの表情も豊かになっている。手話は指先まで使って表現するので
その筋の言葉を使うと「ぬるぬる動く」という状態で、何とも言えない気持ち悪さがある。聾唖者に対してなのだけど、文字じゃダメ?
という気もするんだけど・・・。

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