Top雑感2016年3月(11日〜20日)

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3月11日 新共通テスト
 2020年度から大学入試の方式が変わろうとしている。今の大学入試センター試験に代わり、大学入学希望者学力テストという仮称で
呼ばれる試験を導入しようとしているという。その最終報告案が出されたのだ。今のマーク式に加えて記述式を導入するとしている。
ただ、採点には1ヶ月程度かかると想定しており、記述式のみを分離して先に行うことも想定しているという。最終的にはパソコンで
回答する方式の導入を目指すとしている。まぁその気があるのなら導入すればいいと思うのだが、どうやって採点の公平性を保つのか
が難しいと思うのだ。最初は40〜80字の短文だが、2024年以降は200〜300字程度に増やすという。長くなればなるほど、採点が
難しくなるというのに・・・。そしてパソコンでの回答。その頃も今と同じようなパソコンの環境だとは思っていないが、生徒全員分の
端末を用意するというのは難しいのではないだろうか。そしてトラブル対応も難しいはずだ。導入したいのは分かるが、実施する側の
大変さも考えて欲しいものだ。

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3月12日 忘れられた被災地
 そう呼ばれている場所がある。昨日が東日本大震災から5年。そしてその翌日に長野県で震度6強の地震が起こっているのだ。
200棟以上の住宅が全半壊、村のほぼ全域で1700人以上が避難している。だが、この地震が顧みられることがない。東日本大震災の
地震というよりも、その後の津波と原発のインパクトが大きすぎたのが原因だろう。別にこの地震に限った話ではない。私が
小さい頃に経験した日本海中部地震、地元では大きなインパクトを持って受け止められているのだが、それ以外の地域では全く
記憶されていないのだ。そのためか、関東大震災の日である9月1日、防災の日の方が私にとっては馴染みが薄い。災害の記憶なんて
そんなものなのだ。どれだけ多くの人に影響があったかという尺度が効いてくるのだ。忘れられた被災地は長野だけではない。

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3月13日 路線番号
 日本の高速道路は分かりにくいという。外国人ドライバーが高速道路を走っているとさっぱりわからないという。その理由は単純で
路線番号が無いからだ。都市高速には路線ごとに番号がついているのに、都市間高速は名前だけだ。日本人で慣れてしまえば何も問題は
無いのだが、土地勘がなく、アルファベットを読まないといけない外国人ドライバーには厳しいという。政府はこの夏をめどに番号を
決めて標識などに反映していくとしている。方角を書くという案も出ているようだ。ある程度の場所であれば方角がなくてもわかる
のだが、例えば静岡県内で高速に乗ろうとすると「静岡」「名古屋」という表記があったりして、一瞬考えてしまうことがある。
日本は島国だけあって、やはり閉鎖的なのだ。日本人が理解できればそれでいい、という発想で標識などが作られている。申し訳程度に
ローマ字で書かれているのがその1例だ。しかも時々意味をなさない表記があったりするし。それが今になって外国人のことも考える
必要が出てきて今に至っているわけだ。まぁ高速道路の路線番号があると便利なのは事実だけど、日本はそれほど複雑じゃないからな。
そこが問題だ。

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3月14日 電子書籍
 日本のある会社が行っている「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」の2015年度総集編が公表された。15〜69歳の1100人を
対象に調査を行っているものだ。インターネットのブラウザのシェアなども公表されているのだが、注目すべきは電子書籍の利用率だ。
1月から12月にかけて、18.5%から19.0%と横ばい。利用するつもりはないという人が12月には43.3%、あまり関心がないと合わせると
7割近くのユーザーが電子書籍を使う見込みがない状態であることが明らかになった。この理由は単純だと思う。電子書籍を利用する
メリットが無いのだ。電子書籍の数が少ないというのもあるが、値段が紙の本と同じであれば、誰も利用したいとは思わないだろう。
人はやはりお金を出す以上は物を所有したいと思うのではないだろうか。そうなると値段が変わらないのであれば、紙を選ぶというのも
納得できるわけで。調査した会社が普及させたがっているのかどうかは分からないが、もっと根本的に考え直さないと、電子書籍は
普及しないだろう。

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3月15日 結局AIの勝ち
 アメリカの大手IT企業が開発したAIと人間の世界チャンピオンが対決していた囲碁の5番勝負の最終戦が終わった。結局は4対1で
AIが圧勝した。このAIは手を全て計算するのではなく、数多くの囲碁の対局を繰り返すことで学んでいくディープラーニング
という手法を実施したものだ。唯一、人が勝った時はプロが通常打たないような手から計算が崩れていったとされている。
印象的なのはチャンピオンの言葉「我々が知っている定石などが正しいのか疑問が湧いた」というものだ。ディープラーニングは
凄いなと思うのもそうだが、人は結局定石に縛られているのではないだろうか。長い年月をかけて作られてきたものなのだが、
本当にそこに穴はないのかを、もっと自由な発想から見つめ直してもいいのではないだろうか。AIはそこの定石に囚われなかった
のではないだろうか。棋譜を見ていないので何とも言えないのだが。とにかく、AIの進歩はすごい。

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3月16日 ボール遊び
 公園でのボール遊びを解禁する自治体が出てきたそうだ。キャッチボールのできる場所を求める子供や親の声に押された結果
だという。キャッチボールの他、サッカーのようなことをやっている人もいるという。もちろん、一律に解禁できるわけではなく、
それなりに広い場所で専用のスペースを設けて解禁しているところもあるという。私が田舎育ちだからかもしれないが、都会は
子供が遊ぶスペースがなさすぎる。運動能力の低下が叫ばれて久しいのだが、その理由は体を動かす機会が少ないからではないだろうか。
そんなに外で遊ぶタイプではなかったのだが、それでも外に出る機会はあった。家の近くの公園では普通にボール遊びが行われているが
結構周りを気にすることなく、ガンガン蹴っていたりする。そういうマナーを教えることも大事なのではないか、と思う。

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3月17日 ついに発売
 大手スポーツ用品メーカーが自動で靴ひもを締める靴を発表、今年の年末に発売される予定だという。映画の中で登場はしていたが
本当になるとは思いもしなかった。かかとの部分にセンサーがあり、足を靴に入れるとセンサーが作動して紐が締まるという。締まり
具合は別のボタンで調節できるという。気になるのはセンサー周りの耐久性と重さだろうか。一応しっかりしたメーカーなので
重くて運動には適さないということはないと思うのだが、何しろセンサーとスイッチ、紐を締めるためのモーター、さらには
基板が靴の中に入っているだろうから、それなりのことになりそうなのだ。おそらくは数量限定になるだろうから、なかなか一般には
普及しないだろうし、靴は安物を潰れるまで履くというタイプの私にはしばらく縁のないものになりそうだ。ただ、この技術の進歩は
凄いな、と。

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3月18日 ロボットが配達
 ニュージーランドでロボットが宅配ピザを配達するシステムが試験導入されると発表された。4輪式のロボットでバッテリー駆動、
センサーで障害物を回避しつつ、注文者の自宅まで完全自動運転で到達するという。1回の充電で店舗から20 km以内に配達可能、
最大10枚を運べる保温ボックスを備えているという。政府が積極的に後押ししているというからなかなか本気のものだ。
50年後にロボットに置き換わるであろう仕事というのが発表されて久しいが、早速登場し始めたといったところか。これから
セキュリティの問題を解決する必要はあるだろうが、これで人件費が削減できるのであれば、ピザの値段はもっと安くなるはずだ。
消費者にとってはありがたい限りなのだが、果たしてどうなるのか。ニュージーランドでも試験導入の開始日は発表されていないが、
そうなると他の地域は?となると全く予想がつかない。時間の問題だろうけど。

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3月19日 カシオペア最終便
 北海道新幹線の開業に伴って青函トンネルの運用が変わるため、最終便となるカシオベアの下り列車が今日上野駅を発車した。
本当の最終列車は明日の札幌発の折り返し上り列車なのだが、上野駅に集まった人の数はすごい状態になっていた。1999年の
営業開始というから、17年くらいの営業になるだろうか。まぁ惜しむファンの気持ちはわからないもでないが、高速鉄道を
推し進めてきた影響でもあるわけで。それを求めたのは市民なのだから、仕方ないだろうとも思う。今の人たちは短時間で
移動することを求めてきたので、寝台列車はそのニーズに合っていないというだけのこと。高速バスはその値段のメリットで
生き残るだろうが、高級寝台列車は時代にそぐわなくなってきているということなのだろう。ま、仕方ないかな、と。

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3月20日 太陽の100倍
 ハッブル宇宙望遠鏡で質量が太陽の100倍を超える恒星が9つ見つかったと発表された。地球から17万光年離れた星団にあるものだ。
今回見つかった恒星のうち1つは、全宇宙でこれまでに見つかった中でもっとも質量が大きいという。また、これら巨大な9つの恒星の
明るさを合わせると、太陽の3000万倍分に達するという。どれもこれも数字が大きすぎて想像できる範囲を超えているのだが、
とにかく凄いことになっているのだけはわかる。一時は運用を終了するともされていたハッブル宇宙望遠鏡だが、これでまた運用期間が
延長されるかもしれない。それにしても、こういう宇宙の観測で気になるのは、いつも地球が基準になっているという点。別に太陽より
大きい恒星があることは宇宙規模で考えたら不思議ではないと思うから別にいいじゃないか、と。他にも、温度が高いから生物がいない
とか、水がないから生物がいないとか。そんなに単純なものではないと思うのだ。それとも、対外発表だけで、実際には色々な可能性を
探っているのだろうか。

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