Top雑感2013年6月(11日〜20日)

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6月11日 12桁
 平成28年1月から運用が始まる予定のマイナンバー制度。その番号の桁数が発表になった。個人は12桁、法人は13桁なのだそうだ。
1桁では10の1乗で10通り、2桁は10の2乗で100通り・・・と考えていくと、12桁では10の12乗、1兆通りの番号を発生
させられる事になる。今の日本の人口が1億人ちょっとなので1万世代分を網羅できる事になる。実際には極端に並びのいい
数字や1桁の数字などは除外されるからもっと減るだろう。さらに最後の1桁をチェックディジットにすればもっと減る事に。
それでも十分な種類の数が用意できる、という目論見なのだろう。本当にこれだけの桁数が必要なのだろうか。今の携帯電話の
電話番号は11桁。でも頭3桁は090か080なので実質は機能していないと考えると8桁。それで十分に回っているというのに、
12桁も必要なのだろうか?人数の事を考えて1桁加えて9桁+チェックディジットの10桁でどうにかなったのではないだろうか?
番号を覚える必要があるのかどうかが定かではない今、新しく12桁の数字を割り当てられてもどうしていいものやら、という感じ
ではないだろうか。まぁ、上手く運用される事を願うばかりだ。

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6月12日 任意徴収?
 静岡、山梨両県が、富士山への入山料の徴収を今年の夏に試験的に導入する意向を表明した。山梨県側は時期尚早としていたが
来年の夏の本格実施に向けて事態を前進させる為に必要と判断したようだ。五合目より上に上る登山者から徴収するとしている。
が、この入山料、任意なのだそうだ。登山者の意向を確認する1つの手段になるという山梨県知事の言葉が示す通り、お金を払ってでも
上りたい山という地位を富士山が持っているかを調べる手段となるだろう。任意というのであれば誰も払わないという可能性も
あることにはあるが。元々登山をする人ではないので、お金を払ってまでも登りたいという気持ちは全く分からない。世界遺産に
登録されて、環境の保全の為に使われるというのであれば、払ってもいいという人が出てくるかもしれないが、どうなのだろうか。
来夏以降、入山料を徴収するようになって登山客が大きく減ってしまった場合、ダメージを受けるのは観光業か山小屋の経営者か?
どっちに転ぶにしろ、任意徴収の結果が観光業の行く末を暗示するものになりそうだ。

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6月13日 地方公務員給与
 総務省の発表によると地方自治体の49.7%が公務員給与を減額する方向になったそうだ。国家公務員の給与カットと同様に
地方公務員の給与をカットさせようと地方交付税を減額して要請した事が原因と見られている。私の家族の中には地方公務員がいる。
そして、その自治体では昨年末の時点で公務員の給与削減を発表していた。いつも自分たちの給与だけが標的にされる、と
憤っていたが、ちょっと待てと言いたい。とりあえず、公務員である以上は「全体の奉仕者として公共の利益のために勤務」
しなくてはならない。それに、企業のように潰れるリスクが無い以上は給与が安い状態であっても仕方ないだろう。一般企業の方が
高かったりするのはそのリスク分だと受け止めるべきだと思う。一般企業が楽だとか、公務員が楽だとか、そんな事を議論する
つもりはないが、公務員という立場を正しく理解すべきだとは思う。生活できないほどにカットしろとは言わないが、
十分に生活できる水準での給与をもらっている筈だし。景気で給与が上下するのだって仕方ない事の筈。一般企業だって
報道されないだけで上下しているのだし。公務員の皆様も頑張って下さい、そんな感じだ。

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6月14日 1000円
 12日にネタにした富士山の任意の入山料が1000円に決まったようだ。入山料なのに任意という表現が微妙な為か、
「寄付金」という形で登山者から募るようだ。今月中に正式決定し、7月下旬から施行する予定だという。果たしてこれで
元々の目的は果たせるのだろうか。目的とは、山梨県知事が言っていたもので、登山者の意向を調べる手段としての役割だ。
冗談でも「入山料」と銘打つのと「寄付金」とするのでは与える印象が違うのではないだろうか。特に、日本の場合はそれほど
寄付する文化が根付いていないので、寄付金という名目であれば払わない人が大勢出てきそうな気がする。ところで、この
入山料か寄付金、あちこちで話題になっているが、何に使われ、その使い道のチェックを誰がするのか、という問題がある。
富士山の自然を守っている専門のNPOやNGOがあるわけでもないし、地元の観光協会というのも少し違う気がする。入山料を
徴収するようになった後も、この問題は続きそうだ。それなりの額が集まった場合、どうするんだろう・・・。

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6月15日 市販薬のネット販売
 業界ではずっと前から話題になっていたものの、一般の人に知られるようになったのはごく最近だろう。首相が成長戦略として
市販薬のネット販売を解禁すると発表したからだ。旗振り役だったのはネット通販大手の社長だったのだが、黙って見ているわけもなく
いわゆるドラッグストアのチェーン店もネット販売を初める方針を示している。驚いたのはオフィス用品のネット販売を手がけている
会社も参入を発表したし、日用品や飲料品の販売サイトも取り扱いを始める旨を示している。私の立場としてはネット販売解禁は
賛成派ではあるのだが、無闇に入手し易くするのには抵抗がある。便利になるのは良い事だが、何でもかんでも解禁してしまうのは
ちょっとな、と。市販薬だから安全というわけではないので、何らかのチェックが必要だろう、と。それに、専門家に相談して
薬を決めた方がいいのではないか、という気もする。勿論、今回の解禁でネット販売のみになるわけではないので、相談する場は
残されるだろうけど、ネットで買えるならネットでいいや、という人が多く出るのは間違い無いだろう。ところで、これが成長戦略
という意味がよく分からないのだけど。販売のシステムを手がけるIT企業が儲けるだけのような気が・・・。どれほどの経済効果を
狙っての成長戦略なのだろうか・・・。

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6月16日 年金引き上げ論争
 国民年金の支給開始年齢を更に引き上げようという話が出てきた。現在、65歳に向けて引き上げの真っ最中だが、そんな中でも
67〜68歳に上げようという話が出てきているようだ。これによって直接の被害を受けるのは65歳前後の人ではなく、若者を
中心とした世代である。いきなり65歳とか68歳に変更されるわけではなく、段階的に進められるものなので、制度が本格的に
施行される頃に直撃を受けるのは今の時点では若いと分類される年代だからだ。正直言って、たまったものではないな、
という感じだ。そもそも、その時代の若者が高齢者を支えるというシステムが、人口増加を前提としている物なのだ。
この状況が変わってしまった今、見直すべきではないのだろうか。払った分以上に貰える年代と、払った分を貰えない年代の
格差が大き過ぎる。全ての年代で負担を分かち合うという理念があるのかもしれないが、それが無理になりつつある今、
制度を変える必要があるのではないだろうか。自己の積み立て方式にしても、どこかの年代で歪みが出ると言いたいのだろうけど、
そうでもしないと若者の納得は得られないのではないか、と。どこかで改革しないといけないのなら、傷の浅いうちがいいのでは
ないだろうか。

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6月17日 貯水率10%
 気象庁の梅雨入り宣言とは何だったのか?と言いたくなるほどだ。三重県の安濃ダムでは貯水率が10.1%とニュース記事に
出ていた。もう少しすると田んぼに水を張る時期が来るので大量の水が必要になるのだが、このままではマズイ、と。
国土交通省が発表しているダムのデータを夜に確認してみたところ、貯水量は15%程度はありそうだ。それでもたった15%
でしかないのだが。さらに驚く事に、このダム、この貯水率でありながら、放水しているのだ。1秒あたり570 Lと
ダムの放水量としては少ない方ではあるのだが、カツカツのダムから放水しなくてはいけない程に下流域では困っている
という事なんだろう。ダムの目的が農業用水のみなので、他の理由は考えられないわけで・・・。そりゃ地元住民だって雨乞いを
するさ・・・。明日、西日本でも雨の予報。雨が降ったら、ダムマニア達は貯水量が増加していく様を喜々として見守る事
だろう。私もそれに近いのだが。東日本はついこの前降ったので、今度は西日本で。梅雨前線が出たり消えたりを
繰り返している、あいまいな状態なんだよな・・・。

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6月18日 高校入試でマークシート
 大阪府教育委員会が府立高校の入学試験でマークシートの導入を検討している。今年の春の入試で正誤の付け間違えや
配点のミスなどの採点ミスが114件あり、2校で4人の合否判定に影響があった為だ。マークシートにして採点の負担を
軽減すると同時にミスを根絶しよう、というのが狙いのようだ。公立高校の入試でマークシートの利用は例がない
らしく、なかなかに注目を集めている。これ、方針自体は間違っていないと思う。実際に合否判定に影響が出たくらい
だから、採点ミスを減らす方向に舵を切るのは間違っていないと思う。ただし、マークシートが正しい選択かどうかは
疑問が残る。適当に塗って当たる可能性だってあるので、どれくらい実力を正しく反映させるシステムを作れるかが難しい。
それに、マークシートの場合、回答の方法は勿論だが、問題の作り方もある意味独特のものになる。問題の解き方の練習と
回答のしかたの練習を高校受験に向けて行わなければならない、というのは時間が勿体ない気がするのだ。それよりも、
複数人数でチェックするなどの方法で採点ミスを減らす方がいいのではないだろうか?確かに採点者の負担は増えるだろうけど、
高校受験だってそれなりに人生を左右する。採点者は自覚を持っているのか?そこに問題があるのではないだろうか。

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6月19日 貿易収支
 5月の貿易収支が財務省から発表された。貿易収支としては9939億円の赤字で11ヶ月連続の赤字。赤字の幅は5月としては
最大となっているそうだ。円安で燃料の輸入額が加算だ事に加えて、スマートフォンの輸入額も増えたそうだ。輸出額は
前年比で増加しているものの、輸出額がそれを上回る伸びを見せた為に赤字額が膨らんだ事になる。日本には資源が無いので
原料を輸入して加工品を輸出する加工貿易で黒字を叩き出しているという事を習ったのは小学生の頃だっただろうか。
この貿易赤字っぷりは当時は想像できなかった。今の教科書にはどのように書いているのだろうかとさえ思ってしまう。
1ヶ月でこれだけの貿易赤字を出しているわけだけど、これで日本は本当に大丈夫なんだろうか?その赤字分はどこがどうやって
補っているのだろうか?国全体の貿易額なので一般家庭と同じように考えてはいけないのだが、マトモな状態とは思えない。
国内のお金がそれだけ海外に出て行っているという事なのだから。日本、大丈夫か?

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6月20日 2030年代の火星移住
 アポロ11号で月面着陸を果たした宇宙飛行士が、2030年代に人類は火星に移住をするという構想を語っている。
いきなり火星に行くと大気や重力の関係で離脱が難しいので、とりあえずは火星の衛星フォボスに基地を建設し、
そこから火星本体を目指す事を考えているようだ。火星は月ほど気候が極端ではなく、季節もある、地下には相当な
量の氷があると考えられている。そうなれば月ではなく、先に火星を目指すべきだろう、という理由があるようだ。
月のテラフォーミングが立ち消えになったかと思うと、火星のテラフォーミングが出てきて、実際に火星までの
往復を想定した隔離実験が行われていたりもする。そんな中で出てきた新しい方法が火星の衛星に基地を作る
というもののようだ。分からないでもない。ただ、フォボスの重力は地球の1000分の1以下だという。そんな所に
基地を作ってマトモに機能するのかが疑問だ。ずっと無重力状態のような所。ほとんど植物を育てるのも苦労しそうだし、
宇宙船の中と変わらない状況。それで大丈夫なのか、と。火星を周回する宇宙ステーションでいいのではないか、と。
宇宙開発の速度は目覚ましいので、本当に実現するかもしれないが、間違いなく高いハードルがいくつもありそうだ。

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