Top雑感2012年3月(1日〜10日)

<<Prev. | Next>>

3月1日 地震の感度
 昨夜11時半頃、今朝7時半頃、午前11時10分頃と立て続けに首都圏で地震があった。実際はその後の12時半頃にもあったが、
これらの地震の話題が出たのが、会社での昼食の時だったので最後のものはまだ起こっていなかった。話の中で何が起こっていたか
というと、どの地震に気付いたか、という事だ。なかなか全部に気付いたという人はいなかった。よく分からないがエレベータが
止まったとか、移動していた、寝ていた等の理由で、なかなか全てには気付けないようだ。まもなく東日本大震災から1年。勿論、
自然が1年なんて区切りを意識しているわけはないので、人間側の勝手な時間感覚だが、今一度、気を引き締めなおす時期が
来ているのではないだろうか。必要以上に敏感に地震を感じる必要はないだろうが、情報に敏感になっておく必要はあるのでは
ないだろうか。もっとも、私のように携帯電話に緊急地震速報が届かない人はかなり不利だ。この辺、どうにかならないかなぁ・・・。

▲Page Top

3月2日 書くタブレットPC
 日本の家電メーカーが作ったタブレット端末。ターゲットを小学校高学年〜中学生とし、入力方法としてペンで書く方式を
主としたものだ。同社の電子黒板とも連動するらしい。タブレットPCを教科書として利用する機能から1歩踏み込んで、
書く事で「ノート」としての機能も付け加えたようなものだとか。学校の現場で色々な物が電子化していくに従って、手で書くことが
なくなり、物を覚えなくなるのではないか、という事を懸念しているのは私だけではないだろう。その懸念に対して見事に回答を
示されたような気がする。タブレットに書けばいいじゃないか、という極めて簡単な方法で。色々な物が電子化しているが、
数学や物理で数式をいじる操作だけは結局は手書きのまま残るのではないかと思う。どういうわけか、私はあの操作をPC上では
できないのだ。手書きの文化が完全に無くなるとは思わないが、小さい頃から手で書かない生活ばかり続けるのは問題があると思う。
タブレットに書くというのは、電子化が進む中で1つの抵抗の形なのかもしれない。で、普及しそうなの、これ?

▲Page Top

3月3日 最優先席(仮)
 全国で唯一「全席優先席」と行っている横浜市営地下鉄に、今年の夏に登場予定のもの。正式名称は決まっていないそうだ。
気軽に譲り合えるようにと実施された「全席優先席」だが、震災後の対応で運行本数を減らした結果、車内が混雑し、どこに行っても
譲ってもらえない状態が続いたのだそうだ。そこで全席優先席を貫いた上で、その上位をいく席を作ろうというものらしい。
利用者アンケートで、優先席対象者のうち、頻繁に席を譲られる人は半数だった事も後押ししたのだろう。まぁ、こうなるのも
分からないではない気がする。全席優先席というのは確かに素晴らしい方法だとは思うが、同時に「私が譲らなくてもいい」
という考えを起こしかねない。優先席対象者が特別に設けられた優先席の近くで立っていたら、本人の後ろめたさと
周りの目もあって、さすがに譲るだろうと思うのだが、いざ席に区別が無くなってしまうと、その2つの力が働かなくなると
考えられるからだ。自分も他の人も優先席に座っている、私の席だけが特別ではないという意識が全員に働く結果、
後ろめたさは多少あるかもしれないが、他人の目という日本人がおそらく文化的に凄く気にする物がなくなってしまうからだ。
全席優先席が悪いとは言わないが、運営側が思っていたほど、利用者は「いい人」ではなかったという事だろう。

▲Page Top

3月4日 映像記録
 そろそろあれから1年という事で、その手の特番が増えてきた。今日もNHKで映像記録と題した特番が組まれていた。最初に
震災の時の映像を流すことを伝える字幕が入ったのが印象的だった。医師会があまり映像を流さないようにと注意を喚起した事を
受けての措置だろう。1年経って取材が進んだのか、あちこちから新しい映像が入ってきているようだった。写真だったり動画
だったり。当時の報道では出てこなかったような映像も沢山。それを見ていて思ったのは、こんなにも一般市民に映像記録装置が
普及しているのか、という事。コンパクトデジタルカメラの動画機能で撮ったであろうものから、家庭用ビデオカメラで撮った
ものまで。中にはデジタル一眼レフカメラで撮影した写真も多数入っていた。実際、震災当日の映像をここまで集めるには
報道関係者だけでは絶対に無理だろう。これからは映像記録として一般市民の力が多いに発揮される事だろう。それにしても
何故あんなにも多くの人が映像として残そうとしたのだろうか。残そうとした気持ちは分からないではないのだが、問題は
どんな思考の結果として映像を残そうとしたのか、という事。自分でも気持ちが分かるのだが、その思考過程がよく分からない。

▲Page Top

3月5日 どっちもハブ
 とあるメーカーから発売されたUSBハブ。なんでもUSBのコネクターの裏表、どちらの向きでも挿す事ができるようになっている
のだそうだ。USBを挿そうとしたけどなかなか挿さらなくて、よく見たら裏表が逆だった、という大半の人がやった事があるであろう
事態を解決するための工夫がなされているようだ。現物を見たわけではないのだが、大体の予想はできる。USBコネクタが横向きで
あれば、なかなか間違う事はないと思うのだが、縦だとアウト。とりあえず挿さらなかったら逆向きにしてみようか、と思うくらいだ。
USBに限らず、大昔からパソコンの端子は向きがあった。裏表というか、上下逆だと入らないものばかりだった。今まで出て来なかった
のは何故なのか。USBのフラッシュメモリに代表されるように、USBはしょっちゅう抜き挿しするのだ。昔のように挿したらそれっきり
というわけではないのだ。そんな状態だからこそ、端子の裏表を無くすべきではないだろうか。今回、USBですら実現できたのだから
無理ではないと思うのだが・・・。次の規格では是非。

▲Page Top

3月6日 GPSウォッチ
 ここまでの機能は本当に必要か?日本の時計メーカーが9月に発売予定の腕時計。GPSの受信機を内蔵し、GPS衛星からの位置情報を
受信してユーザーの現在地を特定、地球全体をブロック化し、その中から自動的に現在地のブロックの時刻を表示するように
するのだそうだ。通常の電波時計ではありがちな、電波灯からの時報電波が届かないような所でも、衛星からの電波を受信できれば
時刻を調整することができるというわけだ。敢えて繰り返そう、本当にそこまでの機能は必要か?普通の電波時計でそんなに
苦労するのか?もう何年も電波時計を使っているが、そこまで困った事はない。外国に行った時には仕方なく時刻の設定を変える
というくらいでどうにかなってしまう。そこにGPSほどの精度は必要無いと思うのだが・・・。値段も上位モデルは20万円を
超えてくる。時計は用途に合ってさえいれば安物で十分だと思うのは私だけだろうか。時々、強い磁場にさらされる事のある
私にしてみれば、ある意味では消耗品という認識ですらある。そんなに高い時計を使わなくても・・・と思うのは時計に興味がないから
なんだろうな、きっと。

▲Page Top

3月7日 お天気カメラ
 テレビ各局が東京スカイツリーに設置したお天気カメラが8日から始動するのだそうだ。場所は第1展望台の上、高さは375メートル
となっている。高いが故に、雲の中に入ってしまったり、横や下からも雷に襲われる可能性があるという事で、色々と対策が
取られているようだ。まぁ「お天気カメラ」とも呼ばれるくらいだから、天気の様子が撮れればいいのだろうが、あまりにも
高すぎないか?確かにそれだけの高さであれば、雲が低い日には雲の中に入ってしまうだろう。そうなるとお天気カメラとしての
役割を果たす事ができないわけで、年間どれくらいの割合で雲の中に隠れるのかが問題になりそうだ。ところで、お天気カメラと
言えば、天気だけでなく、地震発生時の映像としてもよく使われる。先日、NHKの番組で、東日本大震災発生時のお天気カメラの
映像で、カメラが揺れてしまうのを補正し、高層ビル群が動く様子を明らかにした映像が出ていた。「流石NHK」と感心してしまった。

▲Page Top

3月8日 グラッときたら・・・
 まぁどうしてもこういう話題が多くなるよな、とは思う。震災から1年という事で、あちこちで地震特集が組まれている。
今朝の新聞に載っていたのが、地震が来た時の場所や状況に応じた行動の指針。いくつかあった中で気になったものを。
室内では「厚底の室内履きを履けば屋外の避難にも使えるので常備」、外出先では「ハイヒールのヒールは折って避難」
「ストッキングは熱で溶けて大やけどになるので脱ぐ」というもの。日本の家庭で室内履きを常備しておくというのは
なかなか敷居が高い気がする。さすがに地震でぐちゃぐちゃになれば履く事も考えるかもしれないが、そうでないなら履こうとは
思わないだろう。ガラスが割れて散乱した場合には有効かもしれないという気はする。そしてハイヒールとストッキング。
ハイヒールのヒールが折れるという話は聞いた事があるが、果たして折ろうと思った時に折れるものなのだろうか。
どういうキッカケで折れるのか分からないが、通常は折れないくらいの強度があるはずだ。それを折るというのは難しいのでは?
そしてストッキング。非常時とは言っても、人前で脱ぐほどの勇気がある人がどれくらいいるのだろうか。最近は違うという
説も出ているようだが、白木屋デパートの火事の例もあって、そこでストッキングを脱ごうという発想に至る人が
どれくらいいるのか疑問だ。ま、この手の対策は机上の空論の事がおおいからな・・・。

▲Page Top

3月9日 減災
 この言葉、最近になってよく聞くようになった気がする。多くの場合は防災と並べて使われるようだ。おそらく、今回の震災で
作られた新しい言葉だろう。勿論、手元の辞書には載っていない。今までは「防災」一辺倒だったのだが、震災で見せつけられた
自然の力に、「こんなもん、絶対に防げないよ・・・」と白旗を上げたと私は解釈している。鳴り物入りで作られた防潮堤があっさりと
超えられ、高層建築も大変な事になっていた。防げないので、実際に天災が起こった時には少しでも被害を減らすように努力しよう
という事なんだろう。そりゃまぁ、ヒトの力で天災を完全に克服する事はできないだろうから、妥当な判断と言えるかもしれない。
ところで、今まで行われてきた「防災」関連の活動も、言ってみれば「減災」だと思うのだけど、どうなんだろう。迅速に避難するとか
地震の時の行動を決めておくとか、防災頭巾とか。新しい言葉を作って使ってみたところで、今更という気がしないわけでもない。

▲Page Top

3月10日 震災1年
 明日で東日本大震災から1年。その直前に実に興味深い数字が発表されていた。34万3935人が全都道府県で避難生活を送り、
うち11万6787人が7県で仮設住居暮らし。死者は1万5854人、3155人が行方不明。被災3県で2253万トンの瓦礫が発生し、
最終処理が終わったものは6%なのだそうだ。淡々と数字を並べてみたが、かなり凄い事になっている。確かに3県の
沿岸部がごそっと被害にあい、さらに原発の事故で多くの人が避難を強いられたのは事実だが、いまだに34万人以上の
人が避難生活をしているとは。そして瓦礫の処理率の低さよ・・・。これでもう復興だなんだと訴えているのだから信じられない。
その前に色々とあるだろう、と。記事は「被災地では『風化』を懸念する声が強い」と結ばれていたが、まさにその通りだろう。
今でも義援金が集まり、ボランティアが現地に行っているというが、その数は震災直後には及ばないだろうし、何故か増えた献血者も
元通り。マスコミなどが1周年を期に再び取り上げて、どうにか風化を抑えようとしているというのが現状ではないだろうか。
予想以上に先は長いな、というのが私の感想だ。

▲Page Top

<<Prev. | Next>>