Top雑感2012年2月(1日〜10日)

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2月1日 文字を書かない日々
 佐賀県の県立高校が2013年度から全生徒にタブレット端末を配布する方針を固めた。3年間で全校生徒に行き渡らせる計画だとか。
テストで生徒が手元の端末に解答を入力、送信すると同時に採点されるといった活用方法が考えられているようだ。具体的な配布方法は
検討中であり、購入費の一部の自己負担も考えているそうだ。もうすでに学校というものから離れて久しく、どうなっているのかは
よく分からない。黒板がホワイトボードになったのか、電子黒板はどの程度導入されているのかなどなど。これでもし、タブレットを
導入されたら、いよいよ状況は変わり、ノートをとらなくなってしまうのではないだろうか。授業で使う資料はすべてタブレットで
取り寄せられるとなると尚更。文字を書く機会がどんどん減っているわけだけど、ノートをとらないとなると、本当に書く事が
なくなってしまうのではないだろうか。ノートは先生の板書の他にも授業中の板書に出て来ない事のメモを残すという意味もあると思う。
ノートがタブレットに変わったとすると、本当にそんな事をする人が出てくるか、疑問が残るところだ。せめてペンタブレットが
付属していれば・・・できなくもない気がするが。

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2月2日 これでまた管理が・・・?
 記憶に残っている古い話では和歌山のヒ素カレーだろうか。その後、アジ化ナトリウムをポットの中に入れた事件もあった。
この事件がキッカケでアジ化ナトリウムは毒物に指定された。最近では大学でヒ素化合物の瓶を紛失したと思い、自殺者まで出たし、
つい最近、劇物のタリウム化合物をお茶に入れた事件があり、今度はメッキ工場で毒物のシアン酸カリウムが500 g紛失した。
毒劇法の条文を引用することはしないが、毒物、劇物は鍵のかかる場所に保管し、使用記録をつけなくてはいけない。ところが、
劇物に関してだが、絶えず人の出入りがある場所は鍵についてまで五月蝿く言われる事は少なく、また、揮発性の液体など、
使用記録をとりにくい物があるのも事実。そういったものは見逃すという書き方は悪いが、規制当局も「まぁ仕方ないよね」と
いう空気が漂っていた。しかし、ここまで事件が連発すると管理を徹底しろという指令が来そうで怖い。できるものとできない
ものがあるというのが事実であり、全てを完璧に管理するのはかなり難しい。化学物質を日々扱う者として、気を引き締めなおすと
共に、規制当局が動き出さない事を願うばかりだ。

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2月3日 就活に変化が?
 某服飾大手が採用の方法を改める事を発表した。通年で採用、新卒/既卒・年齢・国籍不問というもの。ただし、本人の適正を
確かめる為にインターンシップへの参加は必須としている。大学1年、2年も受けられ、最終面接に臨む権利を得た上で、好きな時に
最終面接を受けられる、というものだ。さらに、社内の公用語を英語にしようという話もあるようだ。果たして他の会社が追随するか
どうかが見物だ。何故日本が新卒一括採用をするかというと、新人研修をまとめてできるから効率的であり、費用も安く済むという
理由がある。それをインターンシップでどうにかしようという事なのかもしれない。日本の年功序列を壊そうという事であり、
いくつかの会社で実力主義と称して採用しようとしているが、主流ではないのが実態。理由は簡単であり、今や実力主義にすると若者に
劣るであろう人達が、会社で比較的上の地位にいて、しかもバブル期でかなりの人数がいるからだと思う。結局、そんな大ナタを
振るえるのはある程度以下の規模の企業、もしくは社長が絶対的な権力を持っているワンマン企業だろうと私は思っている。
日本の就職活動事情は、もうしばらく変わらないのではないか、そう予想している。

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2月4日 家電メーカー
 様々な企業の決算が報告されているが、とりわけニュースになっているのが、家電メーカー。NECやパナソニック、ソニー、
シャープが軒並み赤字決算を発表した。NECはすでにリストラを発表しているし、とある企業では3ヶ月間の従業員の給料一斉カットを
実行するのだとか。もう数字を見ているだけで嫌気がさしてくる。これだけ大手が赤字を続出したとなると、今年の日本の
GDPはどうなってしまうんだろうか・・・とさえ思ってしまう。給料をカットしても、ほとんど意味をなさない一時しのぎでしかない
と、有識者が語っていた。カットしている間に状況が良くなるのではないか、という希望的観測に過ぎない、と。確かに色々と
特殊な要因が重なったのは事実だ。しかし、もし本当にその特殊な要因だけであるなら、新しい年度では元に戻るわけだから、
リストラや給料カットは必要無い筈なのだ。つまり、経営陣は何かしら別の理由を握っており、機会を窺っていた・・・とは
考えられないだろうか。周りに家電メーカーの人が多いので色々と不安だが、これからどうなるのか、とりあえず静観。

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2月5日 社内メール廃止?
 そういう動きを見せる企業がじわじわと増えてきているそうだ。曰く、電子メールはネットの常時接続が普及する前に生まれた
紙の手紙に近いツールであり、内容を読まないと重要度が分からないなど、非合理的な部分が多いのだそうだ。では何を使うのか。
クラウドを利用したチャットを中心としたツールや社内SNS、twitterの社内版のようなものを利用して仕事を進める会社が
増えてきているらしい。短いメッセージで情報をこまめにやりとしり、チーム内で共有するのに向くのだとか。まぁ言いたい事は分かる。
分かるがこれは職種に大きく依存するのではないか?ずっとPCの前に座って仕事をするような職種ならいいが、私のような研究職の場合、
1日の大半は実験台に向かっているわけで、後からタイムラインを追うのは大変だし、リアルタイム性が求められるであろうチャットで
情報のやりとりをされてしまうと、欠席裁判になりかねない。キッチリと会議として時間を区切って行うわけではなさそうなので
そんな事をされたら厳しい。ま、結局メールはなくならないだろうな、というのが私の予想。結局、便利だもん・・・。

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2月6日 GKB47
 正直、何の事か分からなかった。政府が3月の自殺対策強化月間でキャッチフレーズにしようとしたものであるらしい。そこまでは
簡単に調べがついた。AKB48をもじっている事も容易に想像がついた。問題は何の略でそうなったのか、という事だ。調べてみて
やっと回答に辿り着いた。「ゲートキーパー・ベーシック」でGKB、47都道府県の47なのだそうだ。自殺防止に取り組む
門番(ゲートキーパー)を47都道府県で増やすという意味を持たせたそうだ。Bはどこに行ったのか??結局、あちこちから抗議が
噴出して見直す事になったようだ。まぁAKBの人気にあやかろうとしたのは見え見えだが、あまりにも飛躍しすぎたのではないだろうか。
AKBを始め、あの手のグループのアルファベットは地名が元になっており、聞けば「あぁなるほどね」と思うものが多い。勿論、
「何処?それ??」と聞きたくなるものもあるが。それに対して「ゲートキーパー・ベーシック」。確かに自殺防止の役割を担っている
ゲートキーパーと呼ばれる人がいるのは事実だが、一般への認知度は低い。それだけに、自殺防止を念頭においたとしても「GK」の
意味を連想できないのだ。そこにさらに「B」が付く事で混乱に拍車がかかる。これは駄目だろうという要素が満載。複数あったであろう
候補から、何故これが生き残ったのか、他の候補が何だったのか、是非とも聞いてみたい。

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2月7日 民放の恐ろしさを見た
 今日の夜、10時40分頃、千葉県北西部を震源とする地震があった。最大震度2ではあったが、下から突き上げるような揺れだった。
家の前をトラックが通った揺れか地震か判別できなかったのと、地震だった場合の情報の入手のため、すぐにテレビを点けた。
大きな地震であれば速報が入るだろうから、チャンネルはどこでも良かったのだが、ちょうど生放送のニュース番組があったので
合わせてみた。と、キャスターもスタジオで地震があった事を報告、震源と規模はまだ分からない事を告げた。繰り返し何か
情報を伝えるのかと思いきや、そのままCMに入ったのだった。まぁ結果として小さな地震だったから良かったのだが、これが
遠隔地で起こった大きな地震だったらどうなったんだろう、と思ってしまった。地震の詳しい情報が入るまで、とりあえず注意を
喚起するよう、CMを入れずに呼びかけ続けるべきだったのではないだろうか?震災直後だったら対応は違っていたのだろうか?
緊急地震速報が出ていないから小さな地震と判断したのだろうか?色々と思うところはあるのだが、とりあえず、思い切りCMを
入れるという点だけはどうにも納得がいかない。

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2月8日 再稼働なるか?
 現在、そのほとんどが停止している原子力発電所。再稼働に向けて、急遽と言ってもいいほどに降って沸いたストレステストを
行ったわけだが、その結果がそろそろ出そうだ。関西電力・大飯原発の2基についてのもので、今日、最終的な議論が行われた
筈である。これまでに「テストの方法が妥当」と判断され、IAEAも「国際的な基準に適合している」という報告書をまとめている。
これでテストに合格となれば再稼働へ一歩踏み出す事になる。実際はその後、地元住民の理解を得た上でないと再稼働できない
雰囲気になっているのだが、首長を始め、住民の理解を得られるかどうかが難しい状態になっているようだ。実際、大飯原発がある
福井県としては、福島第一原発の事故の検証を踏まえた安全基準を示すよう政府に求めているなど、再開には慎重な立場を
とっている。こうなると、ストレステストがどうとか、国際基準が云々とかいう話は何の意味も無さそうな気がする。
結局どうなるのか、何も見通せないままだ・・・。

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2月9日 大々的な発表の割に・・・
 開業まで3ヶ月あまりとなった東京スカイツリー。これまで第1展望台、第2展望台と呼んでいた展望台の正式名称が発表された。
しかも、大々的に記者会見を開いての発表だったようだ。名前は、350メートルの展望台が「天望デッキ」、450メートルの
展望台が「天望回廊」となったそうだ。「展望」ではなく「天望」となっているのがせめてもの工夫だが、その名前のあまりの
普通っぽさにガックリしてしまった。内部のイメージ映像も公開したという事で、その為の記者会見だったのかもしれないが、
名前があまりにもそのままだった・・・。そして、そのスカイツリーは、予約が殺到しているらしい。話題作りに行ってみるのは
悪くないと思うのだが、それ以上の事にはならなさそうなのが残念だ。それほど見るものがあるとも思えないのだ。東京タワーが
いまだに人が殺到している事を考えると、スカイツリーもかなりの間は人が殺到するだろうが、何を見るんだろう・・・。ところで
今回発表された展望台の名前、こんな名前を付ける意味があったのだろうか?

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2月10日 雑草魂
 福島第一原子力発電所の放射能汚染水の漏水事故、その原因が雑草だという発表がされた。昨年7月〜12月に相次いで起こった問題で、
塩化ビニール製ホースから水が漏れたというもの。イネ科の雑草「チガヤ」を使った実験で、先端が細く尖っているため、芽が内側に
貫通する可能性がある事を確かめたのだそうだ。秋になって草が枯れた結果水漏れが相次いだという見解だ。ホースは既に
より丈夫な素材に替えているため、同じような漏水事故は起こらないとしている。何が凄いって雑草が凄い。塩化ビニール製の
ホースだって決して軟弱な物ではない。それを貫いてしまうとは・・・。気になるのは、本当にこれだけが原因かという事。
記事によると水漏れは22件起こっていたのだそうだ。その全てが雑草が原因だとはなかなか考えにくい。それだけ高確率で
穴を空けるとは思えないからだ。原因の1つであった可能性はあるだろうが。本当にこれで原因究明終了、ホースを替えたので
万事解決としてしまっていいのかが疑問だ。1つの解答が見つかるとそれで満足する傾向がヒトにはあるという。そこで飽くなき探求を
続けられるかどうかが大きな分かれ道。今回の場合は事故の再発を防げるかどうかに関わってくるのだろう。研究者として
心構えを新たにさせられるニュースだ。

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