【今回の見仏メンバー】
正月開けの寒〜い中、毎度お馴染みの靖子さんとぱらいそ堂さんと京急「北久里浜」駅で待ち合わせ。3人ともやけに厚着である。イガエコ氏が都合により参加できず残念。彼女に連れて行ってもらおうと思っていた私は下調べが足らず、一抹の不安を抱きつつ京急バスに乗り満願寺へ。
【満願寺<まんがん・じ>】 |
★風の強い日であった。バスを降り7分ほど歩くと満願寺に着いた。ここの目的は菩薩像と地蔵菩薩像。運慶様式という触れ込みを嗅ぎ付けやって来た。インターホンで予約した旨を告げ観音堂へ。収蔵庫のようなお堂に上がり込むと左から毘沙門天、菩薩、地蔵菩薩、不動明王の立像が並んでいる。
|
【感想】
★菩薩像:前から離れて見るとそうでもないがヨコから見るとすっごいボリューム。腹の出たどっしりとした重量感のある像。白毫がでかい。普通の像の2倍以上はある。顔は丸くちょっとふて腐れた感じの表情。
★地蔵菩薩像:菩薩とそっくりな顔でややより男性的。(どっちの像も男っぽい、と言うかおっさんぽい)宝珠を乗せた左手が優しげ。目袋(下まぶた)が厚い、疲れてるんでしょうか?不遜な、厳しい表情。恐いなあ。 この2像はムッとした表情のせいもありなんだか「仲悪そう」に見えた。と思ったら普通中尊などに向かって見合うように体をハスにして配置されているものだが、この二人は逆方向を向いてたのが原因のようでした。 ★不動明王像:そこらにいそうな少年のような像。体つきも顔も幼い感じです。光背の火焔も縦に長く全体的に華奢な印象。
★毘沙門天像:可愛い。こっちも中学生くらいに見える。左手が小さいからまたさらに子供っぽく見える要素だろうか。下に踏まれている邪鬼も形が整ってないがそこが素朴で可愛い。
|
|
|
★「ちょー足がどっしり」観音さん
|
★手がかわいい毘沙門天 |
|
|
|
★オッサンぽい地蔵さま
|
|
|
|
■満願寺■
拝観要予約
住所:神奈川県横須賀市岩戸1−4−9
交通:京急 北久里浜駅より京急バス野比行き(岩戸経由)・岩戸団地循環 岩戸下車 徒歩7分
|
【清雲寺<せいうん・じ>】
|
★バスを乗り間違えたりもして、今回の一応メインイベント滝見観音さんに会いに清雲寺へ。「満晶寺」という所で下りる。まさしく満晶寺の前に着いたので門を潜ると「宝冠釈迦如来像」がいるらしいのでお寺の方に訪ねるが予約しなかったためタイミングが悪く拝観は叶わず。このお寺さんは(興味がないのでよく分からないのだが)今年の大河ドラマの御当地なので賑わっているらしいです。三浦義明さんの像とかお墓があるそうです。 さて清雲寺は満晶寺から徒歩7分くらい。高台にありました。
|
【感想】
★滝見観音像:中国からの渡来仏。滝を見ているはずなのに滝が左後ろに流れる台座に座っているので尋ねてみると後で作ったものらしいことがわかった。全体が直線的な、でもデフォルメされた曲線も入ったユニークな造型。腹当て?それとも腰布?のヒダの表現がうずまき型で表現されてておもろい。首をかすかに右に傾げ、前方、遠いトコを眺めている。岩の台座に座り右足立て膝にして岩の上に乗せ、左足は下げている。これは観音遊戯<ゆげ>坐像と言って鎌倉方面
にしか見られない宗風のポーズらしい。なごやかム−ドの漂う方。切れ長の目は長すぎるくらい長い。ほとんど顔を縦断しそうな勢い。右手の五指を伸ばしてぴったり揃え、立てた右膝の上に添えている様が可愛らしいかった。膝に手をチョコリと乗っけてるのです。※清雲寺本堂には他にも毘沙門天像などの小さい仏像が何体か安置されています。
|
|
■清雲寺■
拝観要予約
交通:JR衣笠・京急久里浜駅からバス、満昌寺下車 徒歩5分
イベントガイド−文化財みてある記((財)横須賀市
生涯学習財団 )に勝手にリンク:http://www.mmjp.or.jp/shogaigakushu/sub1/05Event/16mitearu/mitearu_200005-7.htm#2000/06
|
【称名寺<しょうみょう・じ>/金沢文庫<かなざわぶんこ>】 |
★バスで京急の駅に乗り換え、金沢文庫へ。金沢文庫は称名寺というお寺の境内にある美術館+文庫(図書室)。称名寺は広い庭のでかいお寺だった。
|
【感想】
★特別展:「称名寺の秘宝 四天王像と十大弟子像」
四天王像:バランスが悪い(笑)頭に比べ肩幅や体が小さく、日本人っぽい、ちゃあぽい。顔はオーバーアクト、やりすぎで笑えた。鎧の袖についている獣頭がかっこいいぞ(本物みたらヤだろうけど)。この四天王がこのガラスケースの中ではなく、金堂に置かれているところが見たいと思った。
十大弟子像:小さい1m程の像。やや前傾でこっちに倒れ込んで来そうにして10人横並び。よく出来ていますが私の好みではない。
★常設展 釈迦如来像:清涼寺式。瞳が彫ってない。顔はあっさりめだけど本物となかなか似てますよ。
十一面観音像:着物のヒダが多くモッタリとして複雑で写
実的。ちょっとボーっとした人っぽい。離れて見た方が格好いい。
幡頭:旗の先につける龍とか鷁<げき>とかの頭。5つ集まっててキュートだった。
|
|
■金沢文庫■
開館時間:午前9時〜午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:毎週月曜・祝日の翌日,年末年始
住所:神奈川県横浜市金沢区金沢町142
交通:京浜急行「金沢文庫」駅下車、徒歩12分
ホームページ:http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm
|
【慶珊寺<けいさん・じ>】 |
★富岡駅の改札を出て左側の壁に「直木三十五と富岡」という説明板があり、そこの地図をチェックして慶珊寺へ。「本尊は大日如来。その他に十一面観音像が有名」らしい。すっかり日も傾いて来たので早足で向かう。ちょっと迷ったが10分ほどで着いた。
|
【感想】
★大日如来像:頭にまだ青い色が残っている江戸時代の仏。下から仰ぐといい感じです。
★愛染明王像:こんな所に愛染さんが!珍しい。小さい像だがなかなか綺麗で好ましい方であった。
★十一面観音像:頭上の化仏が全て取れているという十一面観音。黒くてこれまた小さい(50cm程度)像。なのだが!かっこいい!クール!岩座で右足を上げ、左脚を下ろす、東慶寺の水月観音菩薩像と同じポーズ。これも観音遊戯<ゆげ>坐像という形式らしいです。 菩薩だが女性的な感じは一切しない男前な方である。渋い兄貴、といった感じで「よく来たな、まあ座れよ」と私達に声かけてくれた。同じポーズなのに「なよっ」としたところが感じられないのはあっさり目の衣のヒダと広めに肩幅にあるのか。お寺の方のおっしゃる通り、女性ファンが多いというのも頷けるカリスマ・オーラが出てました。でもおしつけがましくなかったです。
|
|
■慶珊寺■
拝観要予約
住所:神奈川県横浜市金沢区富岡東4-1-8
交通:京浜急行「富岡」駅下車、徒歩15分
|
【まとめ】
★今回は下調べが足りずバスを乗り間違えたので1点減点。清雲寺でつい「観音さんを見に来ました」と言ってしまって怒られ2点減点。(「会いに来ました」か「拝みに来ました」って言わなきゃダメ。)冬の見仏は厚着しないと風邪引くね。慶珊寺の十一面観音お薦めです。
a-k-i-r-a@2001.02.16
|