仏前な日 仏像に関する情報を仕入れた日に更新します。

第04日(2000.07.29)
情報:第二回 仏前だぜ!(ぷち)ツア−「鎌倉へ水月観音に会いに行こう!」編
内容:見仏/鎌倉:高徳院(鎌倉大仏)〜長谷寺〜東慶寺〜円覚寺

【待ち合わせ】
朝の苦手な私(おまけに当日二日酔い・・・)が約2時間かけて江ノ島電鉄は長谷駅に10時に行きました。1回めと同様目印は手作りシール(ただし色違い)。今回の参加者は言い出しっぺのイガエコさんとおじぞうさんと前回も参加してくれたぱらいそ堂さんと靖子さんの全5人。午前中だというのに焼け付くような日射しの中、早速鎌倉大仏を見に移動!

【高徳院<こうとく・いん> 鎌倉大仏】
私の記憶(小学生時)では鎌倉大仏は「海の見えるとこにいてそばに行くと外からでも見えた。」なんですが、まず出ベソちっくな仁王がいる山門をくぐり高徳院の敷地内に入っても大仏の頭すら見えず。拝観料を払い、入り口を抜けてもまだ見えず。「この生け垣が目隠しになってるね。」と皆と言いながら歩いていくと突然空間がひらけ、やっと緑青<ろくしょう>のふいた仏と遭遇。よ!久しぶりっな大仏の第一印象は「あ、なんか可愛いじゃん。」ごっつい印象しか持ってなかったんですが、頭がでかく子供のようにふっくらした顔なので幼い感じを強く受けました。
■国寶鎌倉大佛−遠景■これが私にとってはベストポジション。
仏前!組はよく紹介し合いもせずいきなり自由行動(てか私)。二日酔い、なにそれ?って感じであっち行ったりこっち来たり、「男前?」と美ポイントを探し歩き廻るのですが残念ながら私には美!を発見できず…。胎内にも入ったけど狭くて今イチ。が、衣や螺髪を内側から見たのは楽しかったし、拝観料20円はイ・カ・ス。螺髪がでかく、肉髻もでかい。切れ長の目元はキレイめですが、ぶしゃっとつぶれたような後頭部と上まぶたに対し直角に作られている目玉はちょっと不思議を通り越してて…。ベストポジションは最初に見た遠景で、青い空に低く流れる雲と緑の小山をバックにした位置。外に仏が野ざらし状態って思いのほかイイ!ビバ自然佛!もっと屋外仏を!
■近景■ブルー系でスタイリングされてます。空が綺麗だった。


【長谷寺<はせ・でら>】
ここは大変楽しかったー。仏像好きにはたまらん、仏像テーマパークです。いい意味で俗っぽく仏前!組にはぴったり!仏はデカイは、「こどもガイド」は用意されてるは(しかも4種類)、仏が見やすいようにお堂が作られてし、仏グッズ(観音リング)は良いし、何より素敵なのが邪鬼を踏める!ってこと。下の写真を参照して下さい。屋外に等身より小さい阿弥陀がいましてね、その周りを邪鬼を踏んだ四天王がいるのですが、台の上に登れるので四天王の背後に回ると四天王と同じ視点で邪鬼が見れるわけです。「すっごいよ、ここ、邪鬼踏めるよー!」そのことに気付いた私は狂喜乱舞。皆にも同じことをさせたのは言う迄もない。(つまり正確には邪鬼を踏み付ける視線で見おろせるスポットがあるということ。)長谷寺での感想:●でっかー!=ここの十一面観音はでえええかああい!高さ9.18m!普通5mも離れれば全体像とか見えてくるのにここの十一面にはそーゆー小ワザがきかない。離れてもでかいんだもん。鎌倉仏って期待してなかったのですが思った以上に綺麗。おぼろげな表情が慈悲っぽくて良い!ソフトな間接照明も良い!近くに寄ってしゃがんで見上げると巨大感が高まりさらにかっこいい!前に立っている小さい十一面観音もいいぞ!ん?なんだあれ?白毫の上になんか黒いニョロが。え?●おでこにひげ!?=でこにひげがあるですよー!しかしなぜあるのかはナゾのまま。わけを知ってる方、教えて下さい。長谷寺ホームページをチェック!→http://www.hasedera.ne.jp/●幾ら何でも顔が違い過ぎるよ。=ここの見モノの一つ、三十三応現身<おうげんしん>(観音が三十三種類の姿に変身しているさま)。童女になったり老人になったり阿修羅とかカルラにもなってます。それはわかるし楽しかったんですが、幾ら何でも顔が違い過ぎる!目の大きさばかりか骨格まで違ってるっちゅうの!でもこの徹底ぶりが好きなんだけどね。
●でっかー!=阿弥陀如来がまたデカイ!そして金ぴか!「中井貴一似!」●体感パークかい?=邪鬼もそうですが大黒さまに触れるし、一回転すると一切経を読むのと同じ効果があるという回転式書架があるし、弁天窟ではプチインディージョーンズ気分が味わえるし、これまた触れる、ふれ愛観音もあるのですよ。私、ディズ○ーランドが好きではないものでね、よっぽどここが夢の国です。とにかく想像以上に楽しめた。期待してなかった分喜びも大きかった(笑)。絶対また行きたい。
■四天王と同視点■ 多分←は広目天。これは前から撮ってますが、背後に回ると彼と同じ視点から邪鬼が見れる。「おおー!邪鬼が私に踏まれてるー!」と錯覚する事請け合い。 と言うかここまでお膳立てされててそうしない方がおかしい。同じアホなら踊らニャ損、損。

 

 

【東慶寺<とうけい・じ>】
江ノ島電鉄とJRをのりつぎ北鎌倉へ移動。さてさて、本日のメインイベント、東慶寺の水月観音さんに会いに行きます。入り口の方に「2時でお願いしてあるものですけど」と告げると、「それでしたら右手の引き戸から中へ入って鐘を鳴らして下さい」と言われます。さっそく中に入って鐘を叩くと係りの方が本堂を突き抜け、水月堂まで案内して下さいました。水月堂に入ると先客の男性が鼻をつけんばかりの距離で例の観音さんを食い入るように見ていました。この観音さん、本名は水月観音菩薩半跏像<すいげつかんのんはんかぞう>とおっしゃるそうです。像高34cm全長54.5cm、左に黒い聖徳太子立像、右にも黒い像がいたのですが誰だか忘れました。下のパンフレット(100円)でちょっと画像が見えますが、丸くくり抜いた壁の中に(パンフには円窓と書いてありました。)斜上前方からオレンジっぽいライトに照らされ佇んでいたのです。このライティングがいい!近くで見てもいいんだけど、2帖程離れた位置から見ても顔や宝冠、瓔珞、そしてたっぷりと厚手の生地のような着物にできる陰が美しい。一同しーーーーんと黙ってぼーーーっと見つめるだけ(笑)。そこで罰当たりNo.1の私、アキラがのそのそと鉢に拝観料(ひとり300円)を入れつつお近づきになりに行きます。さすがにここでは(東慶寺の方がいるので)両手を合わせてからぐぐいっとそばに寄って行きます。むむ。き、れー。やや厳しい完全男顔。ついつい、右斜下に向ける視線の先にまわって目を合わせたくなります(合わないけど)。やはり衣のゆったりしたひだと指先、半跏した右足の甲と指が、か、可愛らしい。下ろしている左足の指先もラブリイ。後側も見たいー。一息ついてまた離れたところにもどってぼーっと見ているとやはり陰影がブラボー。顎の下、左肩から右腹へ下がった衣、右裾、右足、左足、腰掛ける岩へとすごくいいリズムで影が出来ていていつまでたっても目が離せません。それでも10分くらいしか見なかったのかな?「行きますか」と自分から声をかけつつ「でももう一回」とまた側に寄る始末。そして皆ではーっとため息ついて一言「もち帰りたい・・・。」ぼそっと言いつつも声を揃えて言うんじゃない!この一行はー(笑)!しかしですね、ここに来て彼(水月)に会った誰もがはそう思うに違いない。そして自分の部屋を思い出し「やっぱここだからいいんだね。」と諦め入るはず。

  ■聖観音菩薩立像■ 松ケ岡宝蔵(拝観料300円)ではなんと写真撮影OKなんですね。この聖観音はこれまた鎌倉の流行りだった土紋という装飾(ぱらいそ堂さんが和菓子の落雁を付けたようなもんだと言ってました。ぼこぼこしてんの。)が衣になされていて流石は駆込み寺!乙女ちっく仕様っす。

■楽しそうったら・・・■この獅子の顔どおよ?踏まれてるのにこの笑顔!口空いちゃってまあ・・・。でも役割を自覚している目をしているね。そこはかとなく哀愁が漂ってるもん。
 
■左・水月観音菩薩半跏像■東慶寺さんはなんと水月さんを二体も持ってはるんですねえ。こっちの水月さんは物思いに耽るといるよりも誰かが話している事に耳を傾けているという感じ。あっちの水月さんより大分覚醒してますな。やや体重をかけた右腕が愛らしいのです。昔の台座はどうだったのだろう。

■右・地蔵菩薩半跏像■これまためずらしい地蔵の半跏像。蓮華坐は平成の作。足を下ろしているところには連弁がよけてるのが面 白い。

 

【円覚寺<えんがく・じ>】には仏があまりいなかったので覚えてるものがほとんどないのですが、仏殿にいる宝冠釈迦如来立像はこれまた●でっかー!でかい仏は鎌倉の流行りなのか?しかしあれだね、仏のでかいのはそれだけで格好良く見えるから得だね、と気付かせていただきました。そして方丈に百体の観音石像があるっつーので見にいったんですが、おおっ!ここにも●おでこにひげ!?が!やはりこれも鎌倉の流行りなのかっっっ?デコひげ探しに余念のない5人でありました。 →選仏場にいた阿弥陀さん。良く見ると光背が中心からズレてるのが気になります。

【まとめ】前回は展覧会だったので本格的な?見仏ツアーは今回が初めてでしたがこれまた楽しかった〜。本当にみんな仏「だけ」が目当てな人たちなので、余計なことをせんでいいので話が早い!おかしかったのがみんなとにかく「拝まない」。なんて失礼な連中。私だけかなーと心配していたのは徒労に終わりました。そしてなぞがなぞを呼んだ●おでこにひげ!?。なぜここの仏だけがでこにひげをたくわえているのでしょう?違う地域にもデコひげ仏はいるのでしょうか?物知りなみなさまからのご報告をお待ちしております。

 

【おまけ】今回ゲットした仏グッズ(じまん)。■左上、東慶寺の案内帳(100円)。彼が私達の“はあと”をわしづかんだ水月堂の水月観音菩薩半跏像。■真ん中が高徳院で買ったその名も「大佛」。大仏画像満載。■右上が 同じく高徳院で買った「THE LORD BUDDHA」。読めもしないのに英語版。だって日本語のよりイラストが可愛かったんだよー。■下の色紙4枚は長谷寺においてあった「長谷寺こどもガイド」■そして中央においてあるのが 長谷寺で買った「魔除け災難除け指輪」。余は満足ぢゃ。

 

a-k-i-r-a@2000.08.10