仏前な日 仏像に関する情報を仕入れた日に更新します。
第20日(2007.08.04〜08)

「2007年夏 山陰/九州(後半)」

前半:清水寺(島根県)→佛谷寺(島根県)→竜岩寺(大分県)
後半:→富貴寺(大分県)→真木大堂(大分県)→観世音寺(福岡県)→京都国立博物館(京都府)


竜岩寺のインパクトが強すぎて・・・ ー 富貴寺


富貴寺山門 引き続き8/6。

龍岩寺の次は富貴寺へと向かいます。

富貴寺はずっと道しるべが出てたから行きやすかった。
竜岩寺は出てないので不安やった。
ナビのゴールを見ると完璧山の中だし、お寺の極近くにしか案内がなかった。
竜岩寺への標識ももう少し増やしてもらえたら思う。


富貴寺山門の仁王 富貴寺に到着するとちらりと小雨が降ってきた。
仁王門の大変個性的な仁王さんに挨拶し、
傘もささずにずんずんお堂へ進む。

お堂にはすでに4〜5人のグループ観光客が3組くらい入っている。
竜岩寺とは違い観光コースに入っているらしい。



富貴寺 大堂のスケッチ 暗い大堂にいらっしゃるご本尊阿弥陀如来坐像は小振りながら端正な顔立ちの金色の体躯のひと。

 「まるくてするっとしているな。」

という印象。

あとは・・・正直あまり覚えてないのです。
竜岩寺のインパクトが強すぎて、あちらで十二分に満腹感を得られたため、これ以上もう口に入りません状態。
入れてもまんま出てしまうんですね。

阿弥陀三尊像をお祀りしてある本堂の縁側にはお腹パンパンの猫が縁側で寝転んでおり。
頭をなでたら、がしっと両前脚で腕を挟みこまれ、これでもか!というほど舐められました。
えぇ、ざりっざりっと、おろしがねのような舌で。痛っ、痛たたっ!と叫んでも腕を離してくれない。
塩分採りたかったんでしょうな、お腹の赤ちゃんのため、に?



■富貴寺(ふき・じ)■
住所:大分県豊後高田市染蕗
電話:0978−26−3189



お堂にぎっしり、大きな仏 ー 真木大堂


続いて真木大堂 へ。

真木大堂 こちらも案内板がいたるところにあったので行きやすい。

お寺の階段の前には仁王のような像が立っています。
以前は電話ボックスだったそうですが、現在は「御意見箱」とお腹部分に書いてありました。
お寺、と言っても大きな伽藍はなくお堂のみ、というか収蔵庫ですね。



真木大堂 スケッチ小さな建物の中には大きなホトケがドシッとズラーっと立っていて迫力がある。像との距離も近い。

 堂の右側から不動明王と二童子像
 中央に阿弥陀如来像と四天王像
 それとなんといっても左側の
 大威徳明王像


で、不動明王の迦楼羅炎(かるらえん)がカッコいいんだ。
迦楼羅の顔が光背から不動の頭の前に伸びていて、前後に奥行きがあり立体的なのです。

二童子はこどもというよりもほぼ大人と言っていいくらいの風貌。体が太く、大きかったです。


こちらの阿弥陀さんも富貴寺同様端正な都風の顔立ち。
どちらも藤原時代の作
ただ、あちらは木目がわかるほど生木の色をしていたのに対し、こちらは黒い肌をしています。

四天王は胴が太く安定感のあるひとたち。どっしり落ち着いて守りに余裕が感じられる。
さぞかし強いんだろうな。踏まれてる邪鬼の一生懸命さが良かったです。
ただ、阿弥陀さんの周りにいるのはちょっときついのではないだろうか?
堂の四隅にいた方がもっとゆったりして良いのかも。


さて、有名な大威徳明王像は六面六臂六足。
六面が大きいのに、それを支える体、乗せる牛が逞しいため
バランスが取れていて素晴らしかった。



■真木大堂(まき・おおどう)■
住所:大分県豊後高田市大字真中
電話:0978−26−2075



大き過ぎ!スケール感がおかしくなる ー 観世音寺


8/7
今日は博多から姫路まで出て一旦下車しそこから新大阪まで移動する予定。
これだけでもキツいのに仏像にも会うイベントは当然入れてある。

観世音寺 そう、太宰府と言えば太宰府天満宮
しかし時間の都合上そちらは諦めざるを得ず、
一路仏たちの待つ観世音寺へ。

館に入ると一番乗りらしかった。
また貸し切り状態だ。

受付後、階段で2階へ。

 「うーわっ!!おっきー!!!」

すごく広い空間に大きな仏さんがずらーっとコの字型に並んでいます。
一体一体が大きいのですが、それを納める宝蔵も天井が高く、ど広いので
スケール感がおかしくなり、だんだん仏像もそれほど大きく見えなくなってきました。

それぞれバランスが取れているため、巨大でも違和感なく見られるのかも。

以下感想。



観世音寺宝蔵の配列 ◆左壁面手前から、
(1) 地蔵菩薩立像 像高136.3cm
  腹部から足下にかけての衣紋が清涼寺式のよう。

(2) 兜跋(とばつ)毘沙門天立像 像高160.0cm
  毘沙門も、それを両手に乗せる地天も、後ろの邪鬼も、
  スマートだが型やほほなどにまるみがある。

(3) 地蔵菩薩半跏像 像高123.6cm
   頭がおおきいのでやや子供っぽい。踏み下げ足の足首も太い。

(4) 十一面観世音菩薩立像 像高103.0cm
  この宝蔵の中ではいちばん小さいそうだ。

(5) 聖観音菩薩坐像 像高321.0cm
  髷をしばって何房かにわけた、垂髷(すいけい)にしている。


◆正面壁面左から(とても大きいひとたち)
(6) 十一面観世音菩薩立像 像高498.0cm
   静かな表情で見下ろしている。ほぼ5mと、大変大きいが整っていてきれいなひとだ。

(7)(9) 石像狛犬 白い狛犬。

(8) 馬頭観世音菩薩立像 像高503.0cm
  宝蔵の中央にいらっしゃる四面八臂、頭上に馬頭のボス。
  両肩にたらした衣でうまく腕の付け根が隠れているためとても自然でポージングが奇麗。
  腕一本落ちて来てもつぶされてえらいことになりそうな太さだ。

(10) 不空羂索観世音菩薩立像 像高517.3cm
   こちらも肩からたれた衣で脇部が隠れているので八臂ながら自然な姿。
  頭上には十一の菩薩面と仏面を乗せている。
  穏やかな表情だが、羂索をぶらさげているところがさりげなく強さを表している。


◆右壁面奥から
(11)(12)(14)(15) 四天王立像 像高224.0〜236.0cm
  太く顔のまるい親しみやすい四人組。

(13) 阿弥陀如来坐像 像高219.7cm
  力士のようにまるい阿弥陀さん。

(16) 大黒天立像 像高171.8cm
  腰を少し屈め、布袋を肩にかけて背負う珍しい大黒さん。表情は渋いというか怒っている。

(17) 十一面観世音菩薩立像 像高303.0cm
  金色。姿勢はまっすぐ。視線は足元に落ちている感じ。

(18) 吉祥天立像 像高215.5cm
  どちらかといえばおかめっぽいお顔の吉祥天。顔色は彩色がはげていてすこぶる悪く、灰水色。

全体的に洗練された造形の仏たちでした。



■観世音寺(かんぜおん・じ)■
住所:福岡県太宰府市観世音寺4−6−1
電話:092−922−7811



常設にも仏像ずらり ー 京都国立博物館


8/8

大覚寺の名宝京都に出て、実はお初の京都国立博物館へ。
奈良博は何回か訪れたことがあるが、京都では道の向かいの三十三間堂にばかり行って、京博には行ったことがなかったのだ。

まず常設展を見て噂通り仏像が多いことに満足する。
続いて開催されていた特集陳列「大覚寺の名宝」展を覗く。
小さくて黒い五大明王像が、小像ながら細部まできれいにまとまっていて良かったです。



■京都国立博物館■
住 所:京都府京都市東山区茶屋町527
電 話:075−525−2473(テレホンサービス)
URL:http://www.kyohaku.go.jp/



旅のまとめ


2007年夏旅の記念品
2007年夏。まずは好天に恵まれました。

嬉しかったのは、初めて訪れた島根県、大分県の仏像を巡ることができたこと。

以前博多に訪れた時には時間の都合で行けなかった念願の太宰府の観世音寺では、
想像を超える「大きさ」を楽しめた。

あちこち忙しく回ったが、やはりなんと言っても竜岩寺の三尊が一番印象深いなあ。

もっともっともっと地方の仏像に会いたくなる旅でした。

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a-k-i-r-a@2008.07.16
※この頁に記載してある情報はお寺を訪ねた時点のものです。
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