仏前な日 仏像に関する情報を仕入れた日に更新します。
第20日(2007.08.04〜08)

「2007年夏 山陰/九州(前半)」

前半:清水寺(島根県)→佛谷寺(島根県)→竜岩寺(大分県)
後半:→富貴寺(大分県)→真木大堂(大分県)→観世音寺(福岡県)→京都国立博物館(京都府)


2007年夏のほとけ旅は南!


2007年夏、今年は西、というか南!島根→大分→福岡の仏像に会いに行きます。

まず、8/4に島根県の「清水寺(きよみず・でら)」に行く予定。
そちらが地元である知人から教えていただいたお寺です。
地元では有名であり、仏像も拝観できるらしいというので訪れることにしました。

が、前日3日、20:30品川発の夜行バスの行き先は鳥取。
鳥取から島根の清水寺までレンタカーで向かいます。
夜行バスではいつもなかなか寝付けないだが、今回は珍しくすぐ眠くなり、ぐっすり寝られた。


8/4、7:00 鳥取着。レンタカーを借りて一路清水寺へ。

鳥取砂丘08:00、鳥取砂丘で途中下車。せっかく初鳥取、有名どころに寄ってみてもいいじゃない。

砂丘は思ったよりも凄かった。もっと範囲が小さくショボい感じで砂があるんだと思っていたら、広い広い、びっくりするほど広い。向うの砂丘に登っていく人の声は聞こえてくる、だけど姿は蟻のように(注1)小さくて(=かなり距離がある)面白かった。
注1) 右の写真の左上部分にかすかに黒い点が見えたらそれが人。


島根県安来市の清水寺ずっと車で走って11:30に島根県安来市の清水寺着。
車を降りると台風後の快晴のせいでかなり暑いです。
いい感じに苔が生えた階段を登ると、古そうなお堂が見えて来ました。
でも観光寺ではないようなので予約を入れてないところが気にかかります。



島根県安来市の清水寺の看板階段を登り終えると右手に看板が。
きれいな仏像のモノクロ写真があり「おー、いいねー!」とテンションUP。
十一面観音(重文)
大佛阿弥陀如来(重文)
阿弥陀三尊(重文)
石佛大日如来
そうそうたる面々です。

どうやら看板の向こうの階段の上に宝物館があり、その中にいるらしい。
んが!なんと「本日閉館」の木札が下がっているではないか!
あーーー、会えないーーーーーー!そこにいるのにーーー!
一般公開するのは4月26日〜5月5日・11月1日〜11月9日だそうです。

まあ、こんなこともある。電話しておけば良かったことだ。


しょうがないから本堂にお参りして帰りました。
一応本堂でお坊さんに宝物館を開けてもらえるか聞いてみたのだが、やはりだめでした。
でも土産物屋のおばさんに収蔵庫にいる仏たちの写真を見せてもらったのでまあ良しとしよう。
写真を見ると素晴らしいひと(仏)たちのようなので、またいつか来たい!と思いました。
ちなみに予約すれば開扉期間以外でも拝観はできるようです。



■清水寺(きよみず・でら)■
住所:島根県安来市清水町528
電話:0854−22−2151
※宝蔵(宝物館)一般公開
 4月26日〜5月5日・11月1日〜11月9日
 (上記期間外でも予約により拝観可能)



美保関 ー 仏像満喫、佛谷寺


水木しげるロードで、じりじりする日差しを満喫する。これが噂に聞いた山陰の夏か、いいなあ。
そこから美保関という小さな港町へ。


佛谷寺 港のすぐ近くにある美保神社から、青畳の小路を抜けて左に曲がり突き当たりが佛谷寺(ぶっこく・じ)。

佛谷寺 収蔵庫の写真 観光寺には全く見えないが、門をくぐるとすぐ右手に受付があり、その横のパネルに収蔵庫内の仏像の写真が貼ってあり、これは拝観させてもらえそう。というか清水寺の分ホトケに餓えているのでどうしても仏像に会いたい。ぜひぜひ会わせてもらわねば。


もう16時20分だ、急ぎ受付横の呼び出しボタンを押す。
3分ほど待っても応答がないので再度押す。
まだ反応がない。

そこに黒服の方々が門をくぐり、収蔵庫と対面のお堂に入って行った。
む、これは法事?やばい早くお寺の方にきづいてもらわないと、
始まる前に収蔵庫に上げてもらえないとタイムアップだ。
とはいえどこに行ったらいいのだ?

と慌てていたらお堂(多分本堂でしょう)から袈裟姿のお坊さんが

 「拝観ですか?」

と声を掛けてくださった。



佛谷寺 収蔵庫のスケッチ無事鍵を開けてもらい、お堂の明かりをつけてもらう。
近っ!「わー!」などと驚いていると「ご自由に。」とお坊が出ていかれた。
え?貸し切り状態ですよ!?大丈夫?
ま、まあ落ち着け、まずは拝観料だろ。仏に挨拶だろ。あ、カセットレコーダー?これ聞かせていただきましょ。


向かって左から毘沙門天、壇上に聖観世音菩薩、虚空蔵菩薩、
センターは薬師如来で日光・月光菩薩、右壇下に阿弥陀如来
の7像。

ほー、ほー、7体とも共通した風体ですね、ファミリーでしょうか。
細身だけど肩先や腕、手などにゆるやかなカーブが見られるため、
全体的では穏やかな優しい印象がしました。

 日光菩薩の腕、長ー!
 聖観世音、虚空蔵菩薩の腕太い!

近づいたり、背中側に回ったり、足元から臨んだりしたあと、
壇から3m程度離れた入口近くに座り、ぼーっとする。

 いいねぇ。

まさかここにこんな大きくて見応えする仏像があるとは、絶対に表からは想像し得ません。
あー、拝見できて良かった。満喫いたしました。
ちょうどお経も止んだのでお堂を出ました。

帰りに海の上を飛び跳ねる魚を見た。小さかったけど、あれ、トビウオだったのかな。



■佛谷寺(ぶっこく・じ)■
住所:島根県八束郡美保関町美保関530
電話:0852−73−0712



大分初上陸 ー 絶対ゆくべし!龍岩寺


8/5
は、出雲大社に寄ってから別府(大分県)へ移動。今日は仏像には会えません。

外は暑いが移動は冷房の効くくるま、FMトランスミッタでiPodの好きな曲も流れ、大変快適。
途中見た出雲ドームが綺麗でした。建物の大部分が6角形のパネルをつなぎ合わせて出来ているところ、一番下の列だけ三角形。そこが良かった。

出雲から大分まで大移動をしたのだが、日本海きわきわを進む電車の車窓が素晴らしい!晴れて良い天気だったので海や木々の緑がキラキラ光って美しい。ムービーなど撮影しまくり。

そして別府ではぶらりと入った居酒屋(ろばた焼き)がとっても美味しくてボリュームもあり、しかも安かったので超満足。
特に関鯵がおいしかった。鯵の刺身って初めて食べたけど脂っこくなくて美味でした。このたまり醤油つうのが東ではあまり出てこないものなので、ぐんと美味しく感じるのかね。土地の気候と合っている気がしました。

郷土料理の鳥天も旨かった。鳥天というのは、鳥の唐揚げならぬ鳥の天ぷら、つまり衣が天ぷらの衣なんですね、でワサビ醤油をつけて食べる。これ、良かった。気に入りました。

ろばた仁ビアパブお店の名は「ろばた仁ビアパブ」。
また別府来たら絶対来ようと決めた。忘れないように写真撮ってみた。
地酒を何種かいただいてへべれけになって宿に戻りました。





8/6
今日は国東(くにさき)半島の神社仏閣を巡ります。初大分なので大変楽しみ。

まずは龍岩寺(りゅうがん・じ)です。
ナビに従いずんずん進みにますが、どんどんどんどん山奥に入ってゆきます。
うーん、ナビで見ても山ん中なんだけど、ホントにあるのか?辿り着けるのか?
富貴寺(ふき・じ)、磨崖仏(まがい・ぶつ)などの標識あるけどないなあ龍岩寺。

と思ったらついにありましたよ。まじ観光バスは通れませんよ、
って感じの細い道を登って行ったらありました。


龍岩寺 急で幅の狭い石段を目にし、よっしゃ!と気合いを入れて登ります。

さて拝観受付、と思ったら無人でした。拝観パンフがありましたのでめげずに電話しましょう、あれ、アンテナ1本、通じるか?なんか呼び出してるけどかかんない。
うーむ、そうだ、駐車場のとこにバス停だかなんかがあったぞ、公衆電話ないかな、と下山。

建物は地域の公民館らしかったが公衆電話はなさそうだ。
裏手に廻ると80は越えていそうなお祖母さんふたりがのベンチに腰掛けていた。

竜岩寺を拝観したいが受付に人がいなくて、
と話しかけると天気の話から始まってせっかくテレビに出たのにここは来づらい、
他のお寺や神社はお参りしやすいのに…
などと土地の方言で教えていただいた。
なんとか理解できたので、ひとしきり二人が話し終えたあと、

 「今日は拝観できないんでしょうか?」

とたずねると、階段を上がった受付手前がお寺の人の家だから声かけてみたら、とのこと(意約)。


龍岩寺の蓮お礼を言って、もといた場所に引き返し玄関チャイムを押す。
すぐ返事があり受付をしてくださった。
受付前の池には蓮の花が開いておりました。


あー良かった、と思ったところで本番はこれからさ。
仏像のおわす礼拝堂はここから10分弱上がったところだという。
みると登山道みたような細い未舗装の道が上に伸びている。
しかも昨日雨が降ったらしく足元が滑る。ここは慎重にゆこう。


龍岩寺 礼拝堂まるで時代劇の背景に出てきそうな山道を息を切らしながら登る。しばらくすると断崖の上に建つ、というよりも貼り付いている感じのお堂が見えた。

ハァハァ言いながらお堂の前に来ると、この立地の異様さに驚いた。投入堂もそうだけど、どうやって建ってんのここ?


龍岩寺 礼拝堂のスケッチ お堂の引戸をゆっくり開けると、はい、

ドーン!三尊


向かって左から不動明王坐像、阿弥陀如来坐像、薬師如来坐像

おお、これはなんと!写真と全然違うやないか。良い、かなり、良い!

お堂は崖のへこんだ下にあり、しかも天井は吹き抜け。
三尊の頭がお堂の上からはみ出してる。(お堂の外から頭部だけ見えます。)

なのでそこから差し込んだ光が絶妙な陰影を顔に落としている。
3人とも彫りが浅いのだが、きっとこの光を計算して彫られているのだろう。
左右からも夏の強い日差しの反射光が回って来て、堂内の光の具合が最高。
ふうわりとした後光が像のまわりに漂っているかのよう。

格子越しにか拝観出来ず、それほど離れられないが、この拝観空間は良い。
制限がある分だけ色々自分で工夫しなきゃなので、あっちから見上げたりこっちでは離れて立ってみたり、
ギリギリ寄って格子の1つのマスの間から覗いてみたり、とどこから見つめても全然飽きない。

 いやあ、大分まで来て良かったなあ、というか、このシステムはここでしか拝めないだろう。

 もしここから移動するとなったらヘリ?

 あ、どうやって造作されたんだろ、木を持ってきてここで掘ったのだろうか?

などと話しつつお堂を後にした。
そんなに長い時間いたわけではないが、非常に有意義な満足度の高い、濃いい時間を過ごすことができた。


でまた緊張しながら山道を降りたわけですが、何回かは足を滑らせたくらいで転ばずに済みました。

受付には絵ハガキらしいものはなくちょっと残念に思いつつ、まあ、また来ます。
その時は昨日のろばた焼き屋も行こうと再度決めた。



■龍岩寺(りゅうがん・じ)■
住所:大分県宇佐郡院内町大門290−2
電話:0978−42−6560



N E X T(2007夏 山陰/九州(後半)へ)



a-k-i-r-a@2008.03.21
※この頁に記載してある情報はお寺を訪ねた時点のものです。
※記載情報について不都合等ございましたらご連絡ください。


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