仏前な日 仏像に関する情報を仕入れた日に更新します。

第13日(2002.06.29〜30)
情報:「2002初夏 奈良・京都」
    第一日目 午後
    新薬師寺
:十二神将など奈良国立博物館「大仏開眼1250年 東大寺のすべて」展

【新薬師寺<しんやくし・じ>− 目玉 :十二神将など】

キャッチ・コピーは「東洋のギリシャ 日本の莫高窟」らしいです。海外仏に詳しくないのでなんのことやらわからんのですけども。こちらにはしばらくぶりに出向いたのですが随分庭がすっきりした印象。そして堂内にはミサ音楽が流れてました。うーん、私にはいまいち。季節にもよるのかな?ミサ音楽ってなんかひんやりしたお堂に流れるイメージがあるので。
薬師如来は相変わらず濃いいお顔をされてますな。靖子さんに言われて気付いたのですが、薬師さんの左脇にいる小さい牛はなんだろう?可愛いのでスケッチしてしまいました。しかしなんか妙。「ねずみが牛になりすましてる。」と囁く靖子さん。あ、なるほど。牛の角の下に平行にひびが入っており、確かに帽子を冠ってるように見える。ああ、うまく描けなかったので実物をぜひ見に行って下さいよ。
十二神将。は、やはりバザラ大将がカコイイ〜!長めの袖丈が今年の女子風だなと思った。パフスリーブみたく肘のところでしばってあるし。それからクビラ大将がいいな。おたけび系。頭は鳥山明系(古過ぎな例えだな)。アクション系ではシンダラ大将。へんな格好だー、ははは。それから動きは少ないがサンテラ大将が渋くてカッコイイのだった。静かに手元を見下ろしていたよ。ぐるっとまわってみて背中も格好いいなと思う。荒々しい顔と対照的に塑像なので手がしなやかで優し気に表現されているのもいいな。やっぱ新薬師寺は好きです。見仏しやすい。(→仏前やのう〜。31号を読む)


※この日見仏をご一緒したぱらいそ堂さんの見仏記↓
新薬師寺

まずは薬師さんにご挨拶。挨拶しつつ光背チェック。
みなさーん。かの光背に茂っている草の葉はアカンサスというんだそうです。
ギリシャ辺りでは道端に繁っているそうです。
関心のある方は庫裏の脇に植えてあるので覗いてみてください。
(でも葉を見た感じでは光背とはあまり似てないような…)
名前はアカンサス「忘れたらアカンサス〜」ほうらもう忘れない。
ここの宿坊にお世話になったときに伺った一口メモでした。

いつえさんの言っていたミサ曲が低く流れる中、十二神将一人一人を見つめていく。
ぐるりと一周してみて今回気になったのは「珊底羅」だ。
次の一周で立ち止まってしばし眺める。
よっしーさんが「このひと良いでしょう。濡れた子犬を見る眼よね」と声を掛けていく。
濡れた子犬…長い槍に体重を半ば預けて腰に手をおき首を傾けて斜め下に視線を落とす。
ちょっと困ったような、怒りよりも愛情のこもった当惑の眼差し…。
チ…チャーミングじゃないか!こちらも目が離せなくなるぞ。

※下へつづく

   
★牛★

薬師さんの脇にいる小さい牛。可愛いけど変。角付き帽を冠ってるようにも見える。なんだろこのこは。(絵の中の字は「ここに線」と書いてある。)
   
★バザラ大将★

相変わらずかっこいい。この絵じゃ分かんないけど左手、中指と薬指の間が開いてる。指がめちゃキレイ。
 


■新薬師寺■

奈良県奈良市高畑福井町
■アクセス■
市内循環バス「破石町」下車、徒歩12分
■拝観時間■
午前9〜午後5時 TEL:0742-22-3736




【奈良国立博物館 目玉 :「大仏開眼1250年 東大寺のすべて」展】

月影さん、あっこちゃんと無事合流し、「東大寺のすべて」展へ。と言っても別行動。こういう時は個人行動して時々仲間に会って馴れ合うのが楽しいです。さて、この展の目玉のひとつである「不空羂索観音像宝冠及び化仏」です。こんな大きいのがよく残ってたなあ、石ってあんま色褪せないんだ。だから宝石って高いんだね。
仏像好きにはたまらなかったのが「西大門勅願」という看板みたようなもの。寺号の周りに梵天、帝釈天、四天王、仁王の八天像が配されている。この梵天、帝釈天がそう大きなひとではないんだけど色っぽくて良かった。

で、目玉のもうひとつ、戒壇堂の四天王像(→仏前やのう〜。37号を読む)。横一列に並んでおられます。が・・・、あんまりぐっと来ないんだな。ライティングがいまいちなのかな、照明の当て過ぎかな?右端の多聞天とか前から当たり過ぎて顔の陰影が平坦になってしまってる。もちょっと影が出来た方がいいな。左端の広目天みたいに。他のはそうでもないが持国天はやっぱ中尾彬に似ている(→仏前やのう〜。号外を読む)。首にねじ巻きスカーフを巻いてあげたい。4人横並ぶと腰細いなぁと思う。そして顔はでかい。ちょっとマンガちっくだ。持国天のジャッキー(邪鬼)は四つん這いで顎を上げたとこを踏まれてて可哀想だけど、イイ。「やだよー」顔なのもイイ。逆に増長天の邪鬼は仰向けで頭とお腹を踏まれてても余裕ありそうだ。広目天の邪鬼は歯を食いしばってガマンの子である。それに対し、なんと広目天の顔の涼しげなことよ。この温度差、かなりおかしい。多聞天の邪鬼はじいさんぽく、天に踏まれて気持ちよさげな勢いだ。腰が痛いので踏んでもらってんだな。後ろから見ると多聞天のお尻がきゅーっと上がってて一番格好良かった。

ま、他にももろもろ見たんですが写真がないと伝わりづらいと思うので比較的有名どころを。重源<ちょうげん>上人坐像(東大寺再興の立役者だそうです)。わー!じいちゃんだ。すっごい写実的。ちょっと、これ動きそうだわ。しかしこの人、ガラスケースに入れて後ろ姿も見せる必要あんの?ガタイいいぜって見せつけたいのか?確かに背中はボリュームあって若々しい感じだけどさ。有名ではないかもしれないが「大仏螺髪」。黒くてでかいソフトクリームというか、隣のカップルの彼女の方が「うんちかと思った」って言ってましたよ。「僧形八幡神坐像」。錫杖を持つ右手の小指が立ってますね。なんだかなまめかしい。これは、やらしくていいな。なんだろ、きっちりと顔の色から着衣からすべて彩色が残っており、なおかつ少し汚しが入ってるというか煤けてるのがいいのかな。

おー!でっかいひとがいる!そうだった唐招提寺の薬師さんが出張してはるんやった。おっきいなあ。でも自宅(唐招提寺)での方が大きく感じられますね。内弁慶ってことではないんだろうけども。
これも有名なのかわからないけど可愛らしい十二神将が!担当している十二支を頭上に頂いてるんです。彼らのポーズも愛らしいのですがその頭上のけものが大層可愛らしいです。膝抱えて体育座りしているエテ公(そばにいたおばあさんが言ってた)とかまん丸いフォルムの亥とか大変プリティです。
おっと!「弥勒仏坐像」です!『試みの大仏』です。ちっさ!写真では大きそうに見えたのにな。横顔の幅が厚いです。でも前から見るより横からの方がまし(失礼な)。衣とか手は綺麗でしたよ。


※この日見仏をご一緒したぱらいそ堂さんの見仏記↓
奈良博物館

実はこの頃疲労がどピークに達していて集中力が持たない。
途中の席で居眠りをこく。
最初の方の戒壇院の四天王と不空羂索の宝冠はバッチリなんだがね。

※次ページへつづく

   
★十二支★

十二神将の頭の上にいる十二支。こちらは申で、体育座りをしちょります。
   
★試みの大仏★

おもしろ、、、や、ていうか個性的な顔だちです。変なバランス。笑えるのでいいなと思った。
 
 


■奈良国立博物館■

奈良県奈良市登大路町50(奈良公園内)
■アクセス■
近鉄奈良駅〜徒歩15分,または市内循環バス「氷室神社・国立博物館」下車、すぐ
■拝観時間■
※それぞれの展覧会によって異なるので直接博物館に問い合わせて下さい。
テレホンサービス:0742-22-3331






そんなところで今日の見仏は終了。はー、やっぱ凄いや東大寺。今度執金剛神にお目にかかられるのはいつのことなんだろう、などと思いつつ帰路。この時結構大粒の雨が降って来たのですが傘がない・・・。ので図録やらやっぱり買った「大仏開眼」Tシャツやらのお土産はパーカーの中に隠し(傘買えよ)、近鉄奈良駅へ。ここで日帰りの靖子さんとお別れし(お疲れさまでした)、夕飯へとなだれこみました。五空さんと久しぶりの再会を果たしたのですが、そこで撮った写真は全て×。なぜってカメラを落とし、フィルムが感光しちゃったからだよ。つくづくカメラ運がないな私って。(注:2000年の夏にも京都で一眼レフをなくしております。)ま、電源スイッチがひっこんだくらいでまだ使えるからいいんだけど。しょせんYahoo!オークションで3000円で落としたもんだしー。デジカメも持って来たしー。ということで続く。

同日のレポ,イガエコ版はこちら!写真一杯で見やすいです。





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a-k-i-r-a@2002.09.01



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