箱根、明神ガ岳



 どうしても日曜は朝起きるのが遅くなる。この日も目がさめると九時。久しぶりに晴れているので急にどこかに行きたくなるが、この時間では行き先はかなり限られる。 ハイキング気分で箱根の明神ガ岳あたりをさまよってみようかと思う。
 自宅、十時出発。小田急で新松田下車。バスで終点関本へ。ここは伊豆箱根鉄道の大雄山駅でもある。なぜわざわざ関本という名前がついているの不思議だ。新松田駅からのバスが箱根登山鉄道だったので、資本関係がちがっているせいかもしれない。まぎらわしい。
 関本(大雄山駅)から道了尊行きのバスに乗る。曲がりくねった道を十分ほどで終点、道了尊につく。ここは最乗寺の入り口。古い杉木立にかこまれたなかなか立派な寺である。一時半出発。
 明神ガ岳への道はところどころ急な坂はあるものの、非常にゆったりとしたアプローチ。途中から見晴らしもよくなり、山頂近くまで水場もある。これはいいハイキングコースである。もう登る人はなく、降りてくる人ばかり。
 山頂着、三時五十分。正面に箱根の地獄谷、大涌谷などが見えさかんに湯煙(噴煙?)が上がっている。右手には金時山が丸く盛り上がっている。ちょっと曇ってきて富士山は見えず。
 さて、明星ガ岳まで行って宮城野におりるか、最乗寺に引き返すか迷ったが、案内板には明星ガ岳への尾根道の途中から宮城野に降りる道も書いてある。宮城野まで80分だそうだ。これなら日暮れまでに確実に着ける。これで行こう、と思った。四時十分出発。
 明神から明星への尾根道は明るく、正面に駒ヶ岳、神山、地獄谷も見えて大満足。途中から宮城野に下るのが惜しくて、分岐点のかなり先までいってから引き返してきた。
 宮城野バス停着五時二十分。硫黄の匂いが鼻をつく。このあたりはきれいな水がこんこんと湧き出しているところがあって、女の人が野菜を洗っている。大して雪が降るわけでもないのに、箱根というところは滝や湧き水がいたるところにある。富士山からの伏流水なのであろうか。
 小田原行きのバスに乗ったが渋滞に巻き込まれて動かない。苛々して箱根湯元で下車。どこかで夕食をしたいと思ったが、さすが箱根、どこも高い。温泉街を一回りして結局駅前のラーメン屋で味噌ラーメンを食べた。ビールも飲んだが、ラベルが箱根の浮世絵をベースにしている特注品。しゃれている。
 箱根湯元から新宿行きの急行に乗った。前後不覚、目がさめたら新宿である。九時半。帰宅十時。出発から帰宅まで十二時間である。

(五月末日)