北八ヶ岳・麦草峠



 茅野駅からバス。十時十五分発。市街地をたちまちすぎ山道に。蓼科の別荘地には相変わらず心引かれる。別荘地を過ぎ、奥蓼品の高原をバスはじゃんじゃん走る。一際あたりが明るくなり、麦草峠に到着。バスを降りると肌寒い。正面に形のよい茶臼山が堂々と聳え、反対側は、なだらかな丸山の山裾一面に高山植物が咲き乱れている。良いところに来たなと思う。「野草苑」の道を真っすぐにのぼり、丸山に向かう。苔の深い林に入る。しめった岩の上で何度も転びそうになる。苔は美しいが、暗い湿った道である。小一時間の山登りで丸山山頂、やや下って高見石小屋。小屋のまわりには薪が積み上げてあり、いかにも山小屋風。小屋の裏手の岩山を昇る。岩山の上からは、森に囲まれた神秘的な白駒池の眺めが美しい。
 池に下って散策。池のほとりの白駒荘で天然記念物の光ゴケを見た。淡い光のかけらが岩にはりついているという感じ。どこかで見たことがあるような気がする。蛍光テープだろうか。原生林を歩くと、半時間ほどで麦草峠に。時間があるのでスケッチをしたが、人が眺めるので書きにくい。それに、まだ大きなものは書き慣れていないのでうまく書けず。帰りは、蓼品温泉に出て、バスを待つ間に温泉に入った。350円の入浴料。さすがに値段相応である。開発会社のショウウインドウには不動産の広告。400坪くらいで一千万くらい。まあ安いが、その上に建物がいる。やはり無理か。
 白樺湖からのバスもあり、ずいぶん遅くまでバスがある。(最終は午後7時頃)しかし余裕をみて5時37分に乗る。バスはすいている。マイカーの人が多いからだろう。
                                   1996年8月18日 


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