形のないもの


私の好きなものは形のないもの。
それは夢だったり、愛情だったり、やさしさだったり。
形のあるものはとても信頼しやすかったりするけれど、思い入れがなかったら、それはそのうち壊れていくだけ。
生きている私は『動物』という生き物。
すごく生身で、すぐ腐ってしまいそうな『物』。
そして私を支えているのは、やっぱり様々な生き物の命だったりする。
でも、そんな私が私らしく生きようとした時に必要となるのは形のないものの重要性。
私の命を止めてしまいそうなくらい強力な力が『寂しさ』だったりすると、それに対抗するのは愛情だったり、分かり合える友情だったりする。
私が歌を選んだのは、形はないけれど、その大きな、やさしくて強い力で辛い時には心をやさしい色で満たし、楽しい時には鮮やかな色で彩る。
そんな、空気の中に溶け込む形のない不思議な力に魅了されたから。
だから、これからもできる限りそういう歌を歌っていきたい。
それが私らしく生きる事だと思ったから。
だって、形のないものに何かを見出した時、形のない感動に震えて、形のない充実感で満たされ、形のない喜びが生まれてくるでしょ?

そう、今の私はそうやって自分自身を作っている最中だから。