バナナ白書

バナナは本来、メロン同様に高級品だったらしい。
お土産やお見舞いなど、多方面で活躍していたようだ。
しかし、時代の変化、いや、流通の変化などで値段が下がり、今や、そのブランドイメージは下がる一方なのだ。

バナナは非常に健康的な食物で、スポーツ選手などは気軽に取れる栄養食として活用している。
以前は喫茶店などにも人気メニューとしての地位を確立していた。
ところが最近では、メニューで探してもお会いする機会が少なくなってしまった。
当のバナナには何の責任もないのだが、人気がなくなったと言わざるを得ない。
最近では八百屋の店先でも隅に追いやられ、100円などで安売りされている姿が目に付く。

いったい何故なんだろう。
たぶん、人は多くの場合、お金でその価値を判断する。
その点、安いバナナは、それほど価値を持たないと思われてしまうのだろう。
また、数が多いということも1つの原因だと思う。
人は、無い物ねだりをする生き物だ。
なかなか手に入らない物には法外な値段がつくこともしばしば。
そして、その高価な物は必死に大量生産を目指し、結果として安い物となっていく。
それが世の常というものかもしれないが、出来るだけ私はその物が本来持っている価値をしっかり見ることのできる人になりたいと思っているので、今回バナナの気持ちになって代弁してみた次第であります。

そう、バナナはバナナであって、いちごではないのです。