飽食の時代?

電車の中刷り広告は相変わらずグルメとかダイエットの文字が踊っている。
確かに国内で餓死する人はほとんどいないようだ。
ましてや大人・子供の枠を超えてダイエットには余念がないし、良い時代と言えるのかもしれない。

しかし、実際はどうなのだろう。
自然の美味しい水を飲んでいる人は限られていて、ミネラルウォーターをわざわざ買って飲んだりしている人もいる。
野菜も1つの畑で大量に生産しなくてはならないため、化学肥料に頼らざるを得ない。
昔、一度作物を作った畑は休ませるか他の作物を作ったりするなどもっと余裕を持たせないと美味しい野菜が収穫できないと聞いたことがある。
鶏や豚・牛などの食肉もやはり同じで、抗生物質や化学飼料などで早く大量に飼育している。
まさに、育てるのではなく作るというイメージである。

だが、そうなると自然界には元々存在していない、全て人が作り出した農薬や肥料などが大量に使用されると、畑には不要な養分や薬品が溢れてしまい、それはやがて海へと流れ、海までも不自然な状態になっていく。
そして、大量の薬品や肥料などが人体に悪影響を及ぼさないわけはないはずなのである。
最近の子供達に多い、アトピーや喘息などのアレルギー体質も大気汚染やダイオキシンなどの影響だけではなく、そういう自然を無視した強引なやり方のツケが回ってきているように思えるのだ。
そのツケは一体誰が払うのだろう。
少子化対策で色々と手が打たれるけれど、そろそろ人を増やすより中身の充実を謀った方が良いのでないかと思えるのだ。

人は、やはり自然の一部で、自然を無視しては生きていけない。
もっとシンプルで気持ちが豊かに持てて、個人が尊重されるような時代は来ないのだろうか。
物質的豊かさよりも精神的な豊かさを持てる生き方を、なんて無理な話なのだろうか。
そんなことを思ってしまう私なのであった。