千鶴の恩返し

最近の私の日課は、夜な夜な事務所でCD−ROMやビデオを作ることなのですが、その長い作業を支えているのは有線だったりします。
その有線放送も音楽を聴いているのではなく、演芸のチャンネルなのであります。
流れてくる落語にクスクスと笑みを浮かべ、作業を続けております。
ちょっと暗い?

さて、皆さんお馴染みの千鶴の・・・いや、鶴の恩返しのお話です。
ご存知でしょうが、一応軽くあらましを説明しておきますと、ある人が鶴を助けたら、ある日美人に化けて現れ、機織りをして家計を助けてくれました。
しかし、機を織るところを決して見てはいけない、と言われ、覗きたいのをずーっと我慢していました。
ところが、ついに我慢しきれなくなって、こっそり覗いてしまうと、助けた鶴が自分の羽で機を織っています。
見られてしまった鶴は大空へと帰っていってしまう・・・。
といった物語です。

落語の中にも鶴の恩返しというのがありました。
ある人が鶴を助けたら、ある日美人に化けて現れ、
「私はお礼に機を織ります。でも、決して中を見てはなりません」
と言い、部屋に入っていきます。
しばらくはガタゴトと音がしていたのですが、そのうち静かになって物音一つしません。
いくら待っても何の変化も起こりません。
とうとうしびれを切らして覗いてみると、タンスの引出しは開けられ、金目のものは全て持ち去られていました。
そこで一言
「やられた。あれは鶴ではなくサギだった・・・」

お後がよろしいようで。
テケテンテンテン。

コラムを読んでいただいたお礼の一席でした。
笑えたでしょうか?