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・Henri Pousseur (1929--, ベルギー)
総音列技法のパイオニアの一人として、管理された偶然性の導入、聴衆参加の
シアターピースなど、ヨーロッパ前衛の第一線で活動し続けてきたプッスール
だが、厳しい言い方をすれば、器用貧乏でスケール感に劣るかもしれない。
・松村禎三 (1929--, 日本)
初期ストラヴィンスキーを受け継いだ重厚なオスティナート書法も、ここまで
極めれば一つの個性である。松村のピークは、『管弦楽のための前奏曲』など
を書いた1970年前後だが、その後も時折力のこもった作品を発表している。
・Dieter Schnebel (1930--, ドイツ)
《指揮者ソロ》の曲や声と身振りだけの室内楽など、シュネーベルのコンセプ
チュアルな作品は前衛の時代には異彩を放った。だが、それ以降の西洋音楽史
の脱構築を標榜したシリーズは、あまりの底の浅さに拍子抜けしてしまう。