筆者多忙のため2年止まっていますが、改訂準備中。
■現代音楽を聴く100組(110枚)のCD
本稿での《現代音楽》の定義は「20世紀生まれの作曲家の第2次世界大戦以降 (戦中を含む)の作品」です。ただし、広義の《クラシック音楽》に分類される 作品に限りました。それ以外のジャンルは、皆様の方がよくご存じでしょうから。 CDは曲目の組み合わせの良さを優先して選んでおり、必ずしも演奏として最高 という意味ではありません。もちろん、一定の水準はクリアしているものばかり ですが。そのため、現時点では発売予定の録音も数枚混ざっていますが、それは ご愛敬ということで。かなり長いので5分割しました。また、購入の目安として、 ◎(まず買いたい20組=22枚)および○(次に買いたい30組=33枚)を 付けてあります。レーベル表記はオリジナル盤に従い、海外音源で国内盤が出て いるCDには*を最後に付けました。CD番号は、筆者が購入した時点のものは 現在では変わっている可能性があるので、あえて省略しました。注文する際には、 CDnow(http://cdnow.com)やCDworld(http://cdworld.com)で検索して下さい。
》 第1部:《前衛》以前の世代の作曲家たち(b.1901〜1919)
《現代音楽》の世界における《前衛》世代の影響力は強く、メシアンとケージと
いう大物を除けば、この世代の作曲家が正当に評価され始めたのは、比較的最近
である。もちろん音楽の質は、その後の世代と比べても決して見劣りしない。
〔◎4組=4枚、○7組=9枚、その他14組=16枚:合計25組=29枚〕
》 第2部:《前衛》世代の作曲家たち(1) (b.1920〜1928)
《現代音楽》という言葉からまず連想されるのは、この世代の作曲家たちだろう。
確かに優れた才能が揃っており、20世紀後半を代表する作品を数多く生み出し
たが、《前衛の時代》の終わりとともに燃え尽きてしまった人も少なくない。
〔◎7組=9枚、○9組=10枚、その他9組=9枚:合計25組=28枚〕
》 第3部:《前衛》世代の作曲家たち(2) (b.1929〜1935)
第2部で扱った作曲家たちは、良くも悪くも素直な作風の人が多かったが、ここ
に挙げた作曲家たちの大半は、したたかで、深く屈折している。今日でも旺盛に
創作を続けている彼らの息の長さは、そのあたりに由来するのかもしれない。
〔◎4組=4枚、○6組=6枚、その他11組=12枚:合計21組=22枚〕
》 第4部:《前衛》以降の世代から今日まで (b.1936〜1958)
この世代にも、優れた作曲家は少なくない。だが、《あらかじめ与えらた不幸》
を感じることも多い。特に、ベビーブーム以降の世代については、音楽的才能を
持った人はあまりこの業界には来なくなったのかも、と感じることすらある。
〔◎3組=3枚、○8組=8枚、その他12組=14枚:合計23組=25枚〕
》 第5部:コンピレーションアルバム+補遺
演奏家に焦点を当てたアルバムや、現代音楽祭の年代記録盤など。現状ではこの
ような形でしか聴けない傑作を含むアルバムが中心だが、本文で取り上げるには
役不足だが一度は聴いておきたい作曲家たちの作品も取り上げた。なお、有名な
録音を寄せ集めただけのベスト盤のようなものは、ここでは扱っていない。また、
第4部までで洩れた「気になる作曲家」30名を、最後に簡単に紹介した。
〔◎2組=2枚、○0組=0枚、その他4組=4枚:合計6組=6枚〕
現代音楽に詳しい方ほど、「あの作曲家もない、この作曲家もない」と思われて いることでしょうが、現在の名声にとらわれず、音楽状況全体の中で意味のある 作曲家だけを厳選したつもりです。《忘れた》のではなく《省略した》のだ、と いうことは強調しておきたいです。ただ、CDの選択に関しては、筆者一人では 何もかも聴けるはずもなく、本リストから洩れている面白いものを見つけた方は 是非教えて下さい。なお、本稿は、今後も随時改稿していく予定です。ご意見・ ご感想・ご指摘・情報等のメイルをお待ちしています。
野々村 禎彦 ANB33342@nifty.com
〔アップデート情報〕
作曲家等を入れ替えた際に削除した記述は、《trashbox》の中に残してあります。
・1997.09.24:第5部の補遺30名にLuca FrancesconiとAlessandro Solbiatiを 加え、Henri Pousseurと松村禎三を外しました。若手重視の方針 を取っています。また、ADDA社の倒産に伴ってレーベルが移った 録音は、確認できたものについては新レーベルを記しました。 ・1997.09.17:去る8月10日に、第1部で取り上げているコンロン・ナンカロウ 氏が、85歳で亡くなりました。謹んでご冥福をお祈り致します。 ・1997.06.23:第5部の補遺30名にGerard Pessonを加え、Dieter Schnebelを 外しました。一部の作曲家の生年やスペルの誤りも訂正しました。
野々村 禎彦
第1回柴田南雄音楽評論賞奨励賞受賞。
音楽批評紙『Breeze』の現代音楽担当。
他、『ExMusica』等にも寄稿。
アヴァンギャルド音楽の全体状況を視野に入れた考察を行う。
text : NONOMURA Yoshihiko
edition : rom
本現代音楽100組~の筆者でもある野々村氏が「シュトックハウゼンよりもはるかにシンプルなしかけで」と絶賛、
98年アバンギャルドアルバム・ベスト5にあげているnzetwork down 1 |