木版凹版の版作り

講師 木下泰嘉(木版画家)
日時 1998年 9月 10日(木)
木版凹版の版作り
...版木はシナベニヤの6mmのものを使います。シナベニヤの表面でなく粗悪
な裏面を使い、節目や、木目、板のつなぎ目なども表現として利用しています。
絵具が必要以上に板の中にしみこみすぎないために、シナベニヤにシンナーで薄
めたニスを二度全体に塗ります。木目を出す必要のない所には、原液のままニス
を何度も塗ります。また、パテやジェッソを使うことによってマチエールも作る
ことが出来ます。ニスを原液のまま版面の上にドロッピングすることによって、
水滴のイメージや動きのある表現ができます。凹凸のマチエールは、コラグラフ
の技法に似ています。
...浮世絵的な細い線は、三角刀を使って細く動きのあるデッサン的な線が表現で
きます。
...版面に必要な表現を施したあと、最初と同じようにニスを一度全体に塗り、凹
版の出来上がりです。
木版凹版の刷り
...インクは、アクリル絵具を使います。版面が乾いていると絵具をつめる時、乾
いてしまうため、一度版面を湿しておきます。余分な水気は、乾いた布でとり、
絵具をゴムべらで版面に均一につめて行きます。
...版面の余分な絵具をふきとるには、シルクスクリーン用のスキージでシルクス
クリーンを刷る要領で、一気に動かします。木目、三角刀で彫った凹の所やコラ
グラフ的な部分だけに絵具が残り、余分な絵具を取ります。
...凹版刷りには、木版用プレス機を使用します。バレンだと均一に圧力がかから
ず、時間がかかって絵具が乾いてしまいます。
...アクリル絵具は、乾きやすいためすべての作業をすばやくすることが大切です。

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