和紙(わがみ)について

講師 山田博茂 (山田商会社長)
日時 1995年 3月 9日
...製紙は中国の後漢(105年頃)に蔡倫(さいりん)によってはじめられた。
日本には610年、朝鮮高麗王より遣わされた工芸僧の曇徴(どんちょう)によって
紙漉きの技法が伝えられた。大化改新(645年)を契機に戸籍簿作りが定められ
たり、奈良時代には写経が盛んになるなど、膨大な数の紙が必要となった。
...紙には、パルプを原料とする洋紙のほかに、約1300年の歴史を持つ日本独特
の手漉製法による和紙がある。浮世絵に使用された紙、障子、襖、日本の紙幣な
ど、和紙には繊維が洋紙に比べて長いため強靭で、変質、変色しにくく長期間保
存が可能などすぐれた特長がある。
...和紙の原料はコウゾ、ミツマタ、ガンピの靭皮繊維である。渋皮、甘皮を取り
冷水にさらして木灰か草灰を加えて煮る。煮沸後また冷水にさらし塵を取る。
この後、原料を木槌や棒(現在は機械臼を使用)でたたき細い繊維とする。こう
して紙素ができる。
...紙素と水を漉舟という木製の四角い容器に入れる。このとき「ネリ」と呼ばれ
るトロロアオイの根をすりつぶした粘液を加える。ネリは紙素の沈殿を防ぎ、繊
維を過不足なくからませる役目をする。
...漉舟の紙素を漉具にすくいあげ、前後左右に動かす。漉具は底にとりはずしの
きく簣をつけたもので、濾から水分をろ過させながら、繊維の平均したからまり
合いをはかり、余分の液を漉舟にもどす。

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